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Forbes JAPAN Web編集部

oVice CEO ジョン・セーヒョン

オンライン画面上のバーチャルオフィスで、アバターとなって仕事ができる「oVice(オヴィス)」が、テレワーク需要を背景に日本で急成長している。

サービスを開始した2020年8月から1年で、導入企業数は1200社を超え、SaaS企業の成長指標である年間経常利益(ARR)を2.4億円を突破。継続利用率も98%と高い水準を維持し、毎朝9時になると約4万人がオヴィス上に出社する。

今年9月にはシリーズAでは大型の18億円を調達するなど破竹の勢いだ。

しかし、すでにオンラインで働くためのツールが出揃っていた時期に、オヴィスはなぜ飛躍できたのか?

事業売却も考えた


韓国出身のCEO、ジョン・セーヒョンは、19歳の時に留学で来日し、その後複数の事業を手がけてきた連続起業家だ。コロナ以前は、寝る時間以外はすべて会社で過ごすほどオフィスが好きだった。

一つ前の事業でチュニジアに出張した際、コロナによるロックダウンを経験。そこでリアルと同じ感覚を持ちながらオンラインで働ける空間を作ろうと考え、20年3月にオヴィスの開発を始めた。

だが、いざサービスをリリースした時には「市場がなかった」という。

「チュニジアのロックダウンから解放されて帰国したのは20年の6月。その頃は、夏になればコロナが消えるとみんなが信じていた時期で、いずれオフィスに戻るという予想があった。『oViceというツールがあります』と伝えても企業は導入しようとせず、終わったな……と。今年の2、3月には事業を売却して次のビジネスを立ち上げようと考えていた」とジョンは振り返る。

しかし、夏が終わってもコロナ情勢は好転せず、9月以降は、企業も次々とテレワークを取り入れるようになった。

すでにZoomやTeamsなどがテレワークの必需品として地位を確立するなかでも、オヴィスは市場を開拓していった。

評価されているのは「現実に近い感覚で利用できること」だとジョンはいう。

oVice
提供=oVice

リアルオフィスのようにデスクや会議室、ソファを自由に設置することが可能で、画面上を移動しながら仕事ができる。

話しかけたいアバターに自分のアバターを近づけると会話がスタートし、距離に応じて声の大きさも変わる。音声がクリアで遅延も少なく、音被りも発生しづらい。

サーバーの安定性やカスタマーサポートの充実にも定評があり、解約率は極めて低い。

文=露原直人

リコー日本経済

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