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誰が〇〇を殺すのか?

「社内ベンチャー」という言葉が生まれて久しい。

最初に聞いたのは1980年代前半だろうか? 僕も学生時代、学生起業家の走りのようなことをしていたが、それも大企業の社内新規事業の一旦だった。まあ、バブル絶頂期で余ったお金で学生に面白いことをさせようという機運があったからそこそこ成功したのかもしれないが……。

数年前には、社内ベンチャーを支援するコンサルタント会社に呼ばれてちょっとだけ仕事をしたことがある。

起業家に必要なのはチャンスを嗅ぎ分ける臭覚?


その会社はどんな仕事をするのだろうと思って覗いてみると、大企業から、年間3000万円〜5000万円のお金をもらって、社内募集で集まった企画を「どうやってスケールするか?」とハンズオンするという仕事だった。

その時紹介された案件は、有名企業の社内ベンチャー作るというものだった。オフィスこそベンチャー企業感あふれる感じだったが、そこで働く人は、大企業の普通のサラリーマン。大丈夫か?と思ったのだが、その後、本当にベンチャーが立ち上がったという話は聞いていない。

むしろ、支援していたコンサル会社もそのまま空中分解した、と風の噂に聞いた。そう、社内ベンチャー企業が立ち上がる前に死んだというか、生まれずになくなった瞬間を見てしまった感じである。

なぜか。その要因の一つは、社内ベンチャーは「実際に所属している会社を辞めて起業するわけではない」ということだろう。そこまでの熱意がある人がいないとも言える。

あとは、コンサル会社を見ていても思うのだが「ヒットしそうなもの」「成功しそうなもの」をやろうとしている機運が高かった。あえていえば、マーケティングの中から起業しようとしている感じがした。

筆者は数多くの起業家と仕事をしているが、多くの人は「桁違いの根性」と「押しの強さ」がある。それは、アクの強さでもあり、計算高さでもあり、人懐っこさでもある。なによりもチャンスを嗅ぎ分ける臭覚を持っていると思う。Forbes JAPANに登場する企業家や起業家も、その臭覚の凄い人が多いだろう。

だが、残念ながら過去に僕が見た社内ベンチャーは、そんな「臭覚」とは皆無だったのだ。

文=野呂エイシロウ

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