そうした中で、これまでになく関心が高まったのが、自宅で便利に行うことができ、すぐに結果を知ることができる検査キットだ。だが、在宅で行う検査については、知っておくべきいくつかの重要なことがある。
陰性の結果は「フリーパス」ではない
世界的な経済活動を再開させるためにも、在宅で行うことができる検査キットの使用に対する関心はますます高まりを見せている。だが、在宅でできる検査方法には、例えば無症状の人の感染の有無を正確に判断することができないなどの問題点もある。
症状がない人がこうしたキットを使用して検査を行った場合、たとえ陰性の結果が出たとしても、それは検査が完了した時点でその人が大量のウイルスを排出していなかったということを意味するに過ぎない(つまり、必ずしも陰性ということではない)。
例えば、ある学生が月曜日に授業に出席して感染したとする。そして、木曜日にカンファレンスに参加することに備え、水曜日に自宅で抗原検査を行ったとする。検査の結果は陰性だ。だが、この学生は木曜日の午後には、大量のウイルスを排出し始める。
この例が示すのは、感染の拡大を抑制するためには、自宅で継続的に(週に複数回)検査をすること、そしてマスクの着用を継続することの重要性だ。
検査を行う最適のタイミングは?
自宅で簡単に、快適に行うことができる検査は、大きく2つの種類に分けることができる。
1)新型コロナウイルスの遺伝物質(RNA)を検出する分子検査
2)新型コロナウイルスの構成成分であるタンパク質を検出する抗原検査
より感度が高いのは、(検査機関で行われるPCR検査を含め)分子検査だ。ただ、それでも検査を行うタイミングが早すぎたり、あるいは遅すぎたりすれば、適切に感染の有無を把握できない可能性がある。
新型コロナウイルスは、上気道でウイルス量が最も多くなるのは感染から平均4〜5日後であることがわかっている。つまり、陽性であることが最も確実に判定できると考えられるのは、このタイミングで検査を行うことだ。