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資生堂 中西裕子(撮影=小田駿一)

上下関係、ジェンダー、社内外の枠組みなどに縛られずに、チームや組織、あるいは業界に多くの実りをもたらした女性たちは、何を考え、どう行動したのか。

Forbes JAPANでは、これまでの考え方や既存のシステムを超えて活躍する女性にフォーカスした企画「Beyond Systems」を始動。約3カ月にわたり、翻訳コンテンツを含めたインタビュー記事を連載していく。

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1872年の創業以来、およそ150年にわたり、化粧品を通して美しさを追求してきた資生堂。同社は2019年、新たなプロジェクト「fibona(フィボナ)」を始動させた。

これまで郊外の静かな土地に設置されることが多かった研究所を、新たに人が多く集まる横浜みなとみらいにオープン。スタートアップや国内外の研究機関との連携や協働を強化し、リーンでスピーディな化粧品開発を目指す。

そのプロジェクトをリーダーとして率いるのが、中西裕子だ。

もともとは「小さな石や綺麗な粒子を見るのが大好き」で、基礎研究をやりたくて入社したという。しかし、いまではその領域を大きくBeyondし、人のインサイトに基づいたオープンイノベーションに挑戦する日々を送る。中西は化粧品の未来をどう考えているのか。

マーケティング部門先導の開発から人の研究へ


150年もの歴史がある資生堂は、化粧品開発の歴史も古く、国内外に多くの研究施設を持つ。そこで行われる通常の製品開発では、マーケターの市場調査や洞察をもとに新商品のプロジェクトが立ち上がることが多い。なるべく多くの人に合う商品を、大量に生産する必要があるからだ。商品のコンセプトや発売するタイミングも、マーケターが主導する。

入社後、まず製品開発の部署に研究員として配属された中西は、こうした風潮に悶々とした思いを抱いていたという。

「研究員とマーケターのアイデアが一致しないと、製品を世の中に出すことはできません。でも、私には『研究員だからこそできる発想の可能性を潰したくない』という強い思いがありました。たとえマーケターが出した答えと合致していなくても、規模が小さくてもいいから、お客様と対話しながらその人に合った化粧品をつくりたいとずっと思っていたんです」

文=松崎美和子、アステル 写真=小田駿一

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