テクノロジー

2021.10.18 11:30

4.5万円の「培養肉ビーフパティ」を15円に? 名大発ベンチャーNUProteinの挑戦


“培養肉先進国”アメリカから世界へ


NUProteinは9月に株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」で資金調達を実施。目標金額の約2倍である5738万円を調達した。資金の使い道は、アメリカでの事業展開だ。

実は、NUProteinはアメリカ・サンフランシスコの大手インキュベーターMBC BioLabsへの入居審査に合格しており、いつでも事業展開が可能な状態にある。近隣には潜在顧客となるバイオクラスターと小麦製粉所があるため、成長因子の地産地消に適した地なのである。

「日本国内から小麦胚芽溶液を送ることもできるのですが、超低温での管理が必要となり高コストとなってしまいます。だったらアメリカで小麦胚芽を調達し、現地で製造しようと考えました」

なお、創業当初に想定していた「再生医療」での活用も、将来的には目指していく。ただ、医療分野は食品とは異なり、安定供給が厳格に求められる。現在の企業規模では難しいため、大手企業との提携の道を探っているところだ。

「そのためにもまずはアメリカでの事業展開を実現し、日本も含めた世界中の培養肉市場で“水道哲学”を実践していきたい」。

南は、多くの人が手軽に、そして安心・安全に「培養肉」にアクセスできる未来を見据えている。

文=尾田健太郎 取材・編集=田中友梨

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