さらに、サブスクリプションモデルを導入することで本体価格を1万9800円に抑え(旧型は4万2120円)、コロナ禍で注目が高まる「セルフケア」市場で勝負をかける。
新「JINS MEME」。メカパーツの小型化により掛け心地が向上した
背景に「セルフケア」の高まり
10年以上前から、産学連携やR&D室の設置、テック系企業への投資など、従来のメガネブランドの枠にとらわれない商品開発に力を入れてきたJINS。今回の次世代「JINS MEME」の開発には、5年以上をかけて取り組んだ。
田中仁CEOは「“ウェアラブルは可能性がある”と言われているが、実際には難しい点も多い。技術だけでなく、人々の生活にどう浸透するのかも考える必要があり、コンセプトからサービスに至るまでの全体の設計が難しく、時間がかかりました」と明かす。
クリエイティブ・ディレクターを務めたブランドデザインスタジオ「ONE」の岩原一平代表は、コロナ禍での社会変化が開発を後押ししたという。
「リモート勤務を取り入れる企業が増加したことで、オンとオフの境界線が曖昧になりました。また、副業やフリーランスなど、会社に依存せずに個人の実力を武器に生きていく人が増えました。つまり、『自分のことは自分で守る』というセルフケアの時代になったのです」
同社が4月に「デスクワークを⾏っている⼈のうち直近1年で働き⽅が変化した人」を対象にして行った調査(20〜59歳、有効回答数400)でも、新しい生活様式の中でセルフケアを意識する人は9割以上にのぼり、7割以上がセルフケアへの自己投資を行っていると回答した。