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Forbes JAPAN Web編集部

食品トレーを使用せずに包装された商品(サンプル)/イシダ提供

最近、スーパーの精肉コーナーや鮮魚コーナーで、食品トレーではなく透明のフイルムに包まれた「ノントレー包装」を見かけることはないだろうか。“脱プラ”が追い風となって、全国各地の小売店でじわじわと増加している。

多くの店舗で採用されているのが、計量・包装機メーカー大手のイシダ(京都市)の「ノントレー包装機」。開発したのは約10年前だが、ここへきて急に売れ出し、2020年の販売台数は前年比の約3倍にもなった。

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ノントレー包装機NTP-UNI /イシダ提供

きっかけはスーパーの店頭で


イシダは1893年に秤メーカーとして創業し、現在はグローバルの計量包装業界で高いシェアを誇るグローバルニッチトップ企業。「組み合わせ計量機」や「自動計量包装値付機」など、緻密なマーケティングに基づいてつくられた独自性の高い製品が特徴だ。

同社の石田隆英CEOは、「その背景には行動規範の『現場に行く・現物を見る・現実を知る(三現主義)』がある」という。ノントレー包装機の開発のきっかけも、この「三現主義」を体現したものだった。

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石田隆英CEO

発端は滋賀県のとあるスーパー。会計後に食品を袋詰めするサッカー台で、生肉や生魚を持参のビニール袋やタッパーに移し替えて持ち帰る人が増加したため、どうにかできないかという話があったのだ。全国的にも話題になった“くるりポイ問題”である。

中身を抜き取った食品トレーは店頭のゴミ箱に捨てられるため、衛生面の問題はもちろん、ゴミの分別作業が発生するなど、店舗側にとっては難題となっていた。

現場で話を聞くと、“くるりポイ”をする理由としては、「家庭ゴミを減らしたい」「家庭での分別方法がわからない」といった捨てる際の問題が多かった。その他、「食品トレーはかさばる」「重い」といった持ち運びに関する理由もあった。

そこで「食品トレーはそもそも、消費者にとってもお店にとってもいらないものなのでは?」と考え、食品トレーを排除した包装を模索。担当者が現場でのヒアリングを重ね、フイルムだけで包装できる包装機に結びついた。

文=田中友梨 写真=小田光二

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