ノントレー包装機の好調の背景にあるのは、世界的な“サステナビリティ”への意識の高まりだ。イシダは10年も前から、この潮流に乗った商品を開発していたことになる。
それができたのは、同社の企業理念が「三方良し」(自分良し、相手良し、第三者良し)であり、創業時から全社員が一貫して「社会貢献性」を重視した商品開発に務めてきた歴史があるからだ。“サステナブル思考”が浸透していたと言えるだろう。
「商品を作る際に、お客さんと自分たちのことだけを考えたら、極端に言えば、サプライヤーさんを泣かせればいいということになる。でも、我々は『自分良し、相手良し、第三者良し』をベースにしているので、そんなことはしません。本当に世の中に必要とされる存在になりたいのです」(石田)
また、“サステナブル先進国”の欧米に顧客が多く、グローバル視点で企画開発を行なっていることも強みとなっている。2000〜2004年まで技術本部長を務めていた石田は、「当時からヨーロッパの規制が厳しく、環境配慮の観点から日本では使用できても、グローバルでは使用できない素材がたくさんありました。“脱プラ”のムーブメントも早くやってきましたね」と振り返る。
同社は他にも、環境配慮型の商品を多数開発している。そのひとつが、チョコレート菓子で2019年から導入されている“紙パッケージ”だ。この技術は、最近ではスナック菓子でも応用されている。
紙パッケージのサンプル/イシダ提供
「紙の比重が50%以上であれば“紙マーク”を付けることが出来るので、スナック菓子の場合は“中はアルミ製・外は紙製”のパッケージになります。紙が厚くて『シール部分が固くてパーティー開けできない』といった課題があったのですが、当社の技術で解消することができました」
さらに、パッケージの面積を小さくすることで、使用する原料を限界まで減らすことにも挑戦している。ポテトチップスであれば「袋上部の空間を減らすにはどうすればいいか」といった研究を行なっているのだ。
「工場でチップスを袋の中に入れる際に、ふわっと舞い上がらないようにすることができれば、上部の空間が少なくて済みます。サイズダウンするので、物流コストも削減できるんですよ」(石田)