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2021.12.25

NY発のピアス専門チェーン女性創業者が狙うコロナ後の成長

写真はイメージです(Photo by Edwin Chen on Unsplash)

コロンビア大学で天文学を学んだジュエリーデザイナーのマリア・タッシュは1993年に、マンハッタンのイーストビレッジに最初のピアススタジオをオープンした。タッシュは、後に自身の名を冠したピアスチェーンMaria Tashで、「キュレーテッド・イヤー」の先駆者となった。

ビヨンセらも愛用するMaria Tashのインスタグラムのフォロワーは、72万人を超えている。

一方で、ニューヨークを拠点とするスタートアップの「Studs」は、Maria Tashよりも手頃な価格で、ショッピングモールで人気を誇る「Claire’s」などを上回る高級感をアピールしようとしている。

Studsは10月5日、シリーズBラウンドで2000万ドルを調達し、累計調達額が3000万ドル(約34億円)を突破したことをアナウンスした。今回の調達はSpark CapitalのKevin Thauがリードし、Thrive CapitalやFirst Round Capitalらも参加した。

「Studsの特徴は、ニッチなブランドではなく、幅広い層にアピールする楽しくてクールなブランドを目指していることだ」と、Spark CapitalのThauは語る。

Studsは、その当時ウォルマートのブランドインキュベーション部門であるStore 8に努めていた共同創業者のアンナ・ハーマンが2018年にピアスの世界に足を踏み入れたことがきっかけで始まった。彼女はある日、高級なピアッシング・パーラーに向かったが、その店は予約を受け付けておらず、500ドルもかかる上に、2時間も待たされて、うんざりさせられたという。

ハーマンは、友人でインテリアデザインのスタートアップのHomepolishに務めていたリサ・ババースの意見を聞いて、タトゥーショップに行ってみることにした。そこでは、Claire’sなどのチェーン店が使うピアスガンではなく、滅菌された針でピアスを開けていた。

「タトゥーショップでのピアッシングは、清潔で安全だったが、快適ではなかった」と彼女は話す。プリンストン大学を卒業後、ブリッジウォーター・アソシエイツのCOOに就任したハーマンは、その後、ババースと共にこの市場のリサーチを開始した。
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編集=上田裕資

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