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2021.10.15

ヴァージンが商業宇宙飛行の開始を延期、来年の第4四半期に

VMS EveとSpaceShipTwo (c) Virgin Galactic

ヴァージンギャラクティックは10月14日、商業宇宙飛行の開始時期を2022年の第4四半期に延期したと発表した。これは、テストの結果、宇宙船の材料に欠陥がある可能性が指摘されたためだ。

ヴァージンギャラクティックは、宇宙船の接合部に使用されている材料に「強度の低下」が見られたため、さらなる検査を行うと述べている。

同社は、商業用宇宙機「VMSイヴ」と「VSSユニティ」の信頼性と耐久性の向上や、メンテナンスの必要性の低減を目的とした、約8カ間の強化プログラムを開始する予定という。

今回の発表は、ヴァージンギャラクティックがイタリア空軍との初の商業宇宙飛行を延期してから1カ月後に行われた。このミッションは当初、10月初旬には実施される予定だったが、飛行制御システムの部品に製造上の欠陥が見つかったために延期されていた。同社は、その問題はすでに解決したと述べている。

ヴァージンギャラクティックは、7月の創業者のリチャード・ブランソンらを乗せた試験飛行で正規の軌道を逸脱し、その問題の報告を怠ったとして、9月上旬に連邦航空局(FAA)から飛行を禁止されたが、今から2週間前に再び許可を得ていた。

同社は8月に宇宙旅行チケットの販売を再開し、45万ドル(約4940万円)の資金を持つ顧客に、高度50マイル(約80キロ)上空までの旅を提供すると発表していた。

英国のウィリアム王子は、宇宙観光よりも地球を救う方が大事だと考えており、14日のBBCのポッドキャスト番組で、ブランソンやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクらを揶揄した。「次に住む惑星を見つけるためではなく、この惑星を修復するために世界最高の頭脳を持つ人たちが必要だ」とウィリアム王子は述べた。

編集=上田裕資

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