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2021.09.30 12:00

海藻使った「代替エビ」 普通の消費者に受け入れられるか

イメージ(BURCU ATALAY TANKUT/Getty Images)

カーネギーメロン大学工学部を卒業したミシェル・ウルフは2015年、海藻から作られた「エビではない」代替エビ商品を商業化するため、起業することを決めた。ベンチャーの支援を受けた代替肉ブランドは当時、レストランや食料品店でほぼ売れない存在だった。

ウルフの会社が大規模生産に対応可能な商品を開発するまでには6年の歳月がかかり、米最大の食肉業者タイソン・フーズの支援を受けるとともに、ウルフのスタートアップであるニュー・ウェーブ・フーズ(New Wave Foods)ではシリーズAの資金調達で約1800万ドル(約20億円)を集めた。

同社が初めて商業的に提供する商品は現在、レストランやその他の食品サービス(米国で消費される全てのエビの80%が消費されている)を通じて米全土で提供されている。

ニュー・ウェーブは、ベンチャーキャピタルやその他の個人投資家の支援を受けて増えつつある次世代の代替品ブランドを先導しようと、いち早く設立された代替エビ提供業者の一つだ。代替シーフードの開発・販売に取り組んでいるスタートアップには、グッド・キャッチ(Good Catch)やオムニフーズ(Omnifoods)のオムニシーフードなど、数十社が存在する。

米金融データ企業ピッチブック(PitchBook)によると、2015年以降、代替タンパク質分野に投資された資金総額100億ドル(約1兆1000億円)のうち、5億ドル(約550億円)がシーフードに焦点を当てたスタートアップに与えられた。

動物性の原材料を使用しないビーガンシーフードのセクターは2021年、これまでに1億5000万ドル(約170億円)近くの資本を確保し、2020年の1億2000万ドル(約130億円)超からさらに増えている。ニュー・ウェーブはこれまで、計3000万ドル(約33億円)近い資金提供を確保した。

とはいえ、米国での代替タンパク質商品の売り上げはまだ全体的に小さく、肉の合計購入量の1%未満だ。シーフードの売り上げにおける代替タンパク質の売り上げはそれよりさらに少ない。

これまでに最も規模を拡大させた企業は株式公開企業であるビヨンド・ミートで、年間売り上げは4億ドル(約450億円)以上だ。同社は、植物由来の代替シーフードブランドを将来買収する可能性を示唆してきた。さらにはインポッシブル・フーズも、代替魚商品の開発に取り組んでいると発表している。
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翻訳・編集=出田静

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