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左:【限定1台】国際線プレミアムエコノミークラス(777-300ER)モックアップシート2席タイプ(購入価格・70万円税込)、右:【限定1台】ボーイング767-300操縦桿(JA8360)PIC(購入価格・80万円税込)

新型コロナウイルスの影響下、世界中の航空機のほとんどが地上での待機を余儀なくされ、まだ飛び続けたかもしれない多くの航空機が解体場に送られている。航空機の機体には「設計寿命」が設定されているというが、今回のパンデミックの影響で「航空機余剰」が起きている現状、航空機の引退時期が早まっているともいわれる。

そんななかANAが、「機体から取り外された高価な部品リサイクル」企画を打ち出した。退役したボーイング767-300 、777-300ERなどの機体から取り外した操縦桿、コックピットパネル、スラストレバーや、原寸大模型のモックアップシートを抽選発売したのだ(4月末より開始、現在は販売を終了している)。

航空ファンとANAファンに向けての意図がズバリ刺さり、実に多くのマニアックな航空ファンが手を挙げた大好評企画となった。

Forbes JAPANでは、企画者であるANAグループの全日空商事はじめ、当選した航空ファン(ボーイング767-300操縦桿(JA8360)PIC(80万円税込)、ボーイング767-300コックピットパネル(22万円税込)、国際線プレミアムエコノミークラス(777-300ER)モックアップシート2席タイプ(70万円税込)を購入)に以下話を聞いた。

注:ANAは別企画にて9月に「国際線ファーストクラス モックアップシート」などを、オークションサイト『SorANAka ヤフオク!店』に初出品もした。落札額は380万6000円=税込418万6600円。


マーケティング戦略は「マニアック」「ニッチ」「レア」


まず、企画者であるANAグループの全日空商事は以下のように話す。

「企画端緒は、取り外した航空部品について、廃棄以外の有効活用の方法を考えたことです。一番人気のもので倍率が40倍を超えたものもありました。中でもモックアップシート、操縦桿が人気でしたね。非常にマニアックな商材でありながら、全商品にエントリーされている飛行機ファンも複数名見受けられました。

困難と感じたのは、海外での部品取り外し、加工作業を行うため、企画から販売までに時間がかかったこと。また、非常にマニアックな商材なため、どんな部品だったら喜んでいただけるのかのマーケティングにも力を注ぎました。結果、想定以上のエントリーをいただきました。

社内企画会議での提案の際には、決裁者から、あまりにもマニアックなアイテムではないか、そもそもお客様のニーズとマッチしているのか? との不安の声もありました。

しかし、かねてから『もっとマニアックなグッズが欲しい』という声がお客様から寄せられていたことなども根拠に、企画を通したという経緯です。逆に『マニアック』『ニッチ』『レア』をテーマにしたことで、多くのお客様に応募していただけたと思っています」

──それでは以下、実際の購入者に話を聞いていこう。

「こんな超激レアグッズ、当たるんだ!」

【限定1台】ボーイング767-300操縦桿 PIC 購入、寺口直氏の場合


わずか2機分の激レアな操縦桿、ボーイング767-300操縦桿(JA8360)PICを80万円で購入したのは、会社員の寺口直氏。

「空の旅が好きでとにかく航空機ファンです。数年前にもANAから操縦桿が販売されたことがあって、退役機体部品の販売に興味がありました。今回ほかにも、『スラストレバー』も出ていてそちらにも興味がありましたが大きすぎたので、部屋に置けるサイズの操縦桿に応募しました。当選した時はとにかく驚きましたね。『へえ、まじか!?、当たるんだ!』と思いました。高額ではありますが一般市場にはふつう出回らない超激レアグッズですから、もちろんうれしかった。大切に保管して、時折箱から取り出して機長になりきって操縦桿を握っています」


文=石井節子

ANAanaホールディングス

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