面接官は、「タマネギの皮を剥く」がごとく志望者の核に迫る──
では、行動面接とはいったい何なのだろう? それは、人は過去に示した行動特性を将来も示す可能性が高いという前提に基づいた面接理論である。つまり、「顧客中心主義」や「創意工夫と簡略化」などのアマゾン流リーダーシップ原則を実行する人材を求めている場合は、就職志望者に過去の職務経験から、そうした行動特性を示した実例を語らせる45分間の面接が何よりも役に立つ手段になるわけだ。
面接官は質問を重ねることでタマネギの皮を剥くように核心に迫り、志望者の知識や当事者意識を見極め、専門技能を発揮できるかどうか判断できるようになる。
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いずれその点をさらに掘り下げて、面接の際の予想質問を数多く紹介するつもりだ。私のコンピューターには、14あるリーダーシップ原則の各項目につき10を超す質問を集めたドキュメントが保存されていた。なぜそんなに多いかと言えば、面接には5名以上のアマゾン社員が面接官となって参加し、それぞれリーダーシップ原則の少なくとも2項目を割り振られて質問を行うからだ。だから、志望者は過去の職務でリーダーシップ原則に関係するどんな行動を取ったか、すべて回答する準備を整えておく必要がある。
アマゾンの面接を受けるとしたら。具体的な準備について考える
ひと言で言えば、アマゾン流リーダーシップ原則(LP)のリストを印刷して勉強することだ。まずはLPの各項目の内容をしっかりと理解しなければならない。つぎに、自分の職歴を見直し、LPの項目別に最近の業務から成功例をいくつか具体的にまとめておく。理想を言えば、いろいろな答えを用意しておくことが望ましい。
準備が不足すれば当然ながら、それぞれ10の質問をしてくる5名の面接官に対して、ひとつかふたつしか実例を挙げられないはめになる。うまく答えられないときは、自分の幅広い経験を話せばいいのではないかと思うかもしれないが、それでは良い成績は期待できない。志望者は原則的に、行動に焦点を絞った質問に答える練習を積む必要がある。