大手テック企業の動向を監視する「Tech Inquiry」の創設者で、元グーグルのAI(人工知能)研究者であるジャック・ポールソン(Jack Poulson)が発見した契約書によると、米国防総省とグーグルのパートナー企業ECS Federalとの間で交わされた契約の一部として、マイクロソフトが3000万ドル、アマゾンのAWSが2000万ドルの下請け契約を獲得していた。
ポールソンは、この情報を広く公開するのに先立ち、フォーブスに分析結果を提供した。彼によると、契約書にはマイクロソフトが2019年から、アマゾンは2020年から、プロジェクト・メイヴンに取り組んでいたことが示唆されているという。
2018年3月に米Gizmodoは、グーグルが国防総省にドローンの映像からAIに物体を識別させるソフトウェアを提供していると報道したが、マイクロソフトやアマゾンも、ビジュアルデータの分析に関わる契約を結んでいた模様だ。
今回、ポールソンが発見した契約書によると、マイクロソフトは、「FMV(フルモーションビデオ)」 のデータを分析できるツールや、WAMIと呼ばれるデータの分析を自動化するソフトウェアを米軍に提供していた。WAMIとは、監視カメラ業界で使われる用語で、諜報活動のためにドローンや飛行機、衛星などが上空から撮影した画像のことだ。
また、FMVは、一般的に空中のカメラから撮影された映像を意味する。政府の資料によると、FMVとWAMIは、空からの広域監視のために併用される場合が多い。
契約の中で、アマゾンはFMVと赤外線データを対象とした「物体検出と分類のためのモデル」の開発を依頼されていた。また、IBMも、170万ドルの契約で「人工知能と組み合わせた統計的推論モデル」を受注していた。