英語によるコミュニケーションで損をしない、誤解されないことはもちろん、より大きなチャンスを手にできるビジネスパーソンになるために、日本にいながらできることは何なのか。
日常的に英語を共通言語としてミーティングをしたり商談したりする、外資系企業の社員や、国境をまたいだビジネスを手掛ける実業家たちに、自らの経験と、そこからのアドバイスを教えてもらった。
GAFAで重責を担った彼は──
マイクロソフト、グーグル、そしてアマゾンと、世界のトップ企業で重責を次々に担った経験を持つ藤沢聡明氏。現在は、マイクロソフト時代の仲間が立ち上げたスタートアップ「フィルミネーション」のボードメンバーとして、海外のオンライン動画配信企業に日本映画の配信権を販売する部署を率いる。
藤沢氏とともに、アマゾンで仕事をしていたことのある元部下の「回顧」を、「マイクロソフト、グーグル、アマゾンを経て沖縄移住。大空を仰ぎ、極める世界ビジネスとは」から以下引用したい。
藤沢聡明氏
「1対1の面談の時、どうやったらもっと英語が達者になれるか相談したことがありました。そうしたら、『俺もバイリンガルでもなんでもなく、留学もしていないから、必死で努力したよ』と打ち明けてくれたんです。
そして『考えていることを、短くてもいいから毎日英語でアウトプットする。書いてもいいし、独り言でもいい。そうすると自分が言いたいことと、今の現実的な語彙力との差が見えるからそこを埋めていく。そうすると、少しずつ語彙が増えて、自然な言い回しで会話できるようになるよ』と教わりました」
今回、藤沢氏自身にも実践していることを聞いてみると、以下2つのアドバイスをくれた。
1. 毎日、短文の日記を書く
「自分の思ったことを英語でアウトプットするのは簡単そうで意外に難しいものです。
日常的に使う日本語表現は、意外と英語でそのまま変換できないことが多く、それらの正しい英語表現を調べてすぐに使うことで、自分が日々使う利用頻度の高いボキャブラリーを増やすことができます」
2. 英語ネイティブの上司との電話会議の、「イメージトレーニング」をする
「これは上級者用ですが、言い訳のできない、失敗のできない相手との定期的な英語でのコミュニケーションの機会を作ることで、そのプレッシャーをうまく使うことができます。
たとえば毎週、上司との電話会議を設定する。そしてその会議の前夜、徐々に緊張感が高まってくる中で、目の前に上司がいることをイメージトレーニングしつつ、報告や相談の『リハーサル』をする。内容を簡潔にうまく伝える練習になると同時に、次に相手が何を言ってくるのかを予期して、その次にどう切り返すか、いくつもの会話パターンを想定しながら予行練習ができます。
「英語ネイティブの上司がいない」場合も、たとえばオンライン英会話レッスンで、「毎週火曜日10時から30分間」などで同じ講師と契約し、自分の業務内容もある程度シェアして、そのいわば「架空の上司」と会話をしてみるのもいいかもしれません。
この『イメージトレーニング』『リハーサル』によって、ボキャブラリーのバルクアップ、発音の鍛錬、会話の構成、日本語にはない英語ならではのロジカルで簡潔な話し方などを習得することができます」