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2021.10.02 11:00

外資系企業社員、国際ビジネスの担い手に聞いた「私の英語体得法」

Getty Images


某A社の彼女の場合


米ネット通販大手でプロダクト・マネージャーを務める田中美玖氏(仮名)は、高校時代、1年間のドイツ留学を経験してから語学に対する態度が変わったという。
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1. 日本とは「評価のシステム」が違ったドイツ留学

「ドイツに行って、現地の子たちと現地の学校に通ったがついていけない。『長文を読んで解釈をする』的な日本での英語教育では高得点が取れていたが、会話となるとまったく別でした。その上に、日本とは『評価のシステム』がまるきり違いました。

第一外国語、セカンドランゲージが英語、という点は現地でのドイツ人同級生と同じだったはずなのですが、言語形態が英語とドイツ語とでは似ていることもあり、まったくレベルが違う。最初の半年間はまったくしゃべらず、黙っていました。でも、筆記で高得点を取れば成績に反映される日本の高校の授業と違って、あちらでは手を上げないと成績がつかないシステムだったんです。
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でも、なんとか発言しないと先生に怒られるし、成績にもなりません。

また、日本での国語教育では、『次の課題文を読んで、文章には書かれていない行間を読み取れ(作者の心情を類推しろ)』といった『読解問題』が多いが、西洋では『アウトプットしていないことは伝わらない。伝えたければ話さなければ』という無言の共通認識がある。黙っていて、筆記の点数だけよい、は許されません」

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TAGSTOCK1/Shutterstock.com

2. 最初は徹底的にインプットした

「『ドイツ語』に関しては、『赤ん坊が母語を覚えるように、最初はひたすら沈黙してインプットし、後から解き放たれたようにアウトプットできる』という経験をしました。

最初の半年は、英語でも苦労しているのにドイツ語で会話するなどはもちろん無理。学校ではじっとみんなの話すことを聞いていて、家に帰って、ホストファミリーの家の自室の壁に動詞の活用などを張り出して、猛勉強しました。そうすることで、夏休みが終わって学校に出たときに、急にしゃべることができたんです。

『書けること』と『しゃべれること』はつながると思います。日本人は文法が得意ですし、単語の暗記試験などでけっこう語彙量もあるので、『アウトプットしないと始まらない』という環境さえ自分で作ることができれば、日本の学校教育で培った基礎学力をしゃべることに使えるんです。私がドイツ留学で体験した、『最初は黙って周りに聞き耳を立て、活字から知識をインプットしたことが、アウトプットに直結した』も、これと同じではないかと思います。

なかなか海外留学もできない、超多忙なビジネスパーソンの方たちへの『自宅学習法』としては、まねてしゃべってみる、のが効果的ですね。いわゆる『シャドウイング』。

まねの仕方は、完璧でなくてもいいんです。とにかく主語と動詞さえあれば、意外と通じるものです。文法などは、たとえば3単元の『s』を抜かしても、誰も気にしません。一度職場で、完璧な未来完了形と仮定法でしゃべったら、英語ネイティブの同僚に『そんな複雑な文法でしゃべる人、初めて聞いた』と言われました(笑)」

文=石井節子

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