ブルゴーニュの老舗メゾン、「ミツバチの畑」の100周年を祝う

100周年を記念して開催された現地からのウェビナーでは、小瓶で送ってもらった2018年のワインを試飲。ラベルにはミツバチの絵も。

ワインラバーならば心ときめくワイン産地の一つが、フランスのブルゴーニュ地方だろう。主に赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネから造られ、世界に名だたるワインが生み出される場所である。

ジョセフ・ドルーアンは、ブルゴーニュの中心都市、ボーヌに拠点を構える大手メゾン。1880年の創業以来、家族経営を続けている。現在は、4代目の4人の兄弟が、それぞれ役割を担い、お互いを補完し合って、先祖代々受け継いだメゾンを躍進させていて、ファミリービジネスのお手本とも言える。ドルーアンも加盟している家族経営のワイナリー団体についての記事はこちら

ドルーアンは、1921年にボーヌの一級格付けの畑を購入。今年100周年を迎えるその畑は、かつて養蜂所があったことから「クロ・デ・ムーシュ」(ムーシュとは「蜂」の意味)と呼ばれ、この畑のぶどうから作られるワインは、メゾンを代表するものとして高評価を獲得している。



14ヘクタールの畑は、黒ブドウのピノ・ノワールと白ブドウのシャルドネが植えられ、除草剤を使わず、オーガニックやビオディナミ栽培の手法も採り入れて耕作されている。緩やかな斜面の中腹に広がる畑は、土壌や標高等の違いにより特徴が異なる。醸造を担当するヴェロニク・ドルーアンは、「区画にわけ、それぞれに合った醸造方法を採ります」と言う。

また、「クロ・デ・ムーシュの畑は、コルトン・シャルルマーニュとピュリニー・モンラッシェの間にあり、これらの銘醸地のワインの双方の特徴を兼ね備えています。クロ・デ・ムーシュの白ワインには、しっかりしたストラクチャーがあり、豊満な丸みのある果実があります」と説明する。



ドルーアンの歴史はワイン商から始まった。創業当時は、ワインのトレードや熟成が主な業務で、2代目のモーリス・ドルーアンが、クロ・デ・ムーシュを始めとする自社畑の取得に力を入れ、自社畑からのワイン造りを開始した。

現在も、ドルーアンの扱うワインは幅広く、北はシャブリから南はボージョレーまで、ブルゴーニュ全体をカバーし、代表的な村・畑のワインが揃っている。ブルゴーニュワインをもっと知りたい人は、それぞれのワインを比較して飲むのも面白いだろう。さらに、アメリカ・オレゴンでも、1987年にワイナリーを設立し、ワイン造りをおこなっている。


4代目の4兄弟。それぞれが、メゾン経営、畑の管理、ワイン醸造、マーケティングや輸出を担当し、力を合わせてメゾンを躍進させている

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島悠里 写真=輸入元・ワイナリー提供

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