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Ngoc To Vy Nguyen / EyeEm / Getty Images

ベネチアで電車を降りサンタ・ルチア駅を出たところで、まるでディズニーワールドかニューヨークの地下鉄の駅のように、ベネチア歴史地区に入る前に料金を支払う入場ゲートに突き当たる場面を想像してみよう。

伊紙ラ・スタンパが先日報じた新たな案が実現すれば、これが現実のものとなり得る。このような試みはこれまで何度か議論されてきた。

観光シーズンになると、不安定なベネチアの街のサンマルコ広場やその他人気のエリアから放射線状に広がる狭い通りを、大勢の観光客(多くは日帰り客だ)がふさいでしまう。この場面に出くわしたことがある人なら、観光客の抑制は良いものだと考えるだろう。

多くの人は、これが何年も前に導入されるべきだったと言うはずだ。ベネチアは長年、オーバーツーリズム(観光客の著しい増加による弊害)の代表例とされてきた。同市はユネスコの「危機にさらされている世界遺産」に指定されようとさえしていたが、7月にジュデッカ運河とサンマルコの入り江のクルーズ船の通過を禁止したことでなんとか指定を免れた。

ユネスコは現在も、来年の過剰観光を抑制する全ての措置についての状況報告を求めている。

昨年始まった新型コロナウイルス感染症の流行により同市への観光客は激減し、ベネチアや運河には一時的な休息がもたらされた。しかし、渡航規制が緩和されると多くの観光客が戻り、最近では毎日8万人の観光客が記録されている。それとともに、観光客の入域を制限する可能性もまた議論されるようになった。

最近発表された計画では、地元住民やその家族、6歳未満の子ども、同市のホテル滞在者など入域料が免除される人以外は、季節やその日に見込まれる観光客の数に応じて3~10ユーロ(約400~1300円)を支払う。観光客はウェブサイトかアプリでチケットを購入し、ローマ広場や電車の駅など主要な入り口に設置された磁気性入場ゲートでQRコードを表示させて入る。

今回は、この策が本当に実現するだろうか? 同市の住民はこれまで、人混みやゴミに対する不平を漏らしてきた。当局は、日帰り観光客は同市のインフラに持続不可能な圧力を加える割に、経済的な貢献がほぼないことを何度も訴えている。

原因が世界的な新型コロナウイルス感染症の流行であるとはいえ、同市は比較的静かな期間を楽しんだが、多くの人はいまだに同市に入る入場ゲートの設置に懸念を抱いている。

ベネチア市議会議員で弁護士のマルコ・ガスパリネッティはラ・スタンパ紙に対し、「これは違憲で、欧州法に違反している。こうした措置をサンマルコ広場のような限定された区域に導入することはできても、街全体に適用することはできない。これはベネチアを、チケットを購入すして入場できるテーマパークに変えるようなものだ」と述べた。

「ベネチアとその住民、訪問者にとって屈辱的だ」

しかし、現在も観光客が殺到していることを考慮すると、ついにこれが実現するかもしれない。

編集=遠藤宗生

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