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2021.09.05 08:00

睡眠に特化したベンチャーキャピタル「Supermoon Capital」が始動

スーパームーン・キャピタルの3人の設立者 左からPat Connolly、Grayson Judge、Mike Masterson(C)Supermoon Capital

スーパームーン・キャピタルの3人の設立者 左からPat Connolly、Grayson Judge、Mike Masterson(C)Supermoon Capital

パット・コノリー(Pat Connolly)は、米国の小売大手「ウィリアムズソノマ」での40年のキャリアを終えようとしていたとき、睡眠時無呼吸症候群の治療機器を製造する「レスメド(ResMed)」のメンバーと出会った。世界中で多くの人が睡眠障害に悩んでいることを知ったコノリーは、自身の睡眠について考えさせられたという。

「私も睡眠に問題を抱えており、生きている間は熟睡できないのだと思い込んでいた。当時は、夜中に目が覚めては睡眠導入剤を飲んでいた。彼らとの会話を通じて、私自身の健康について考えさせられた」とコノリーは話す。

コノリーは、レスメドの事業が順調に成長しているのを見て、睡眠関連ビジネスは良い投資対象だと考えた。彼は2016年にウィリアムズソノマを定年退職すると、2019年にMike MastersonとGrayson Judgeと共に「スーパームーン・キャピタル(Supermoon Capital)」を設立した。MastersonとJudgeは、長年アドバイザリー業務に携わった経験を持つ。3人は、まだ黎明期にある睡眠関連市場を「ナイトマーケット」と名付け、数兆円規模と言われる市場に特化した投資を開始した。

「現在市場に出回っている製品の多くは非科学的で、効果が実証されておらず、中には健康を害するものもある。人々は、サイエンスに基づいたソリューションを求めるようになっている」とコノリーは話す。

スーパームーン・キャピタルは8月25日、3600万ドル(約40億円)の第1号ファンドを立ち上げたことを発表した。出資者には、ファミリーオフィスや個人のエンジェル投資家の他、レスメドのような戦略的投資家が含まれている。スーパームーンは、シードからシリーズAのアーリーステージを投資対象としており、13〜15社に出資する予定で、投資先の事業プランやリソースによっては、インハウスでインキュベーションを行うケースもあるという。

「睡眠関連ビジネスに特化したファンドに対するニーズは非常に大きい。人々の日常生活において、睡眠は最も重要な要素だと言える。しかし、睡眠科学はまだ歴史が浅く、非常に複雑だ。我々は、睡眠関連ビジネスと、それを利用する消費者の橋渡しをしたい」とMastersonは述べた。
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編集=上田裕資

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