「私も睡眠に問題を抱えており、生きている間は熟睡できないのだと思い込んでいた。当時は、夜中に目が覚めては睡眠導入剤を飲んでいた。彼らとの会話を通じて、私自身の健康について考えさせられた」とコノリーは話す。
コノリーは、レスメドの事業が順調に成長しているのを見て、睡眠関連ビジネスは良い投資対象だと考えた。彼は2016年にウィリアムズソノマを定年退職すると、2019年にMike MastersonとGrayson Judgeと共に「スーパームーン・キャピタル(Supermoon Capital)」を設立した。MastersonとJudgeは、長年アドバイザリー業務に携わった経験を持つ。3人は、まだ黎明期にある睡眠関連市場を「ナイトマーケット」と名付け、数兆円規模と言われる市場に特化した投資を開始した。
「現在市場に出回っている製品の多くは非科学的で、効果が実証されておらず、中には健康を害するものもある。人々は、サイエンスに基づいたソリューションを求めるようになっている」とコノリーは話す。
スーパームーン・キャピタルは8月25日、3600万ドル(約40億円)の第1号ファンドを立ち上げたことを発表した。出資者には、ファミリーオフィスや個人のエンジェル投資家の他、レスメドのような戦略的投資家が含まれている。スーパームーンは、シードからシリーズAのアーリーステージを投資対象としており、13〜15社に出資する予定で、投資先の事業プランやリソースによっては、インハウスでインキュベーションを行うケースもあるという。
「睡眠関連ビジネスに特化したファンドに対するニーズは非常に大きい。人々の日常生活において、睡眠は最も重要な要素だと言える。しかし、睡眠科学はまだ歴史が浅く、非常に複雑だ。我々は、睡眠関連ビジネスと、それを利用する消費者の橋渡しをしたい」とMastersonは述べた。