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2021.08.30 06:00

バイナンスが元シンガポール証券取引所幹部を現地CEOに起用

Getty Images

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世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンスは、シンガポール支社のCEOにシンガポール証券取引所(SGX)の元幹部のリチャード・テン(Richard Teng)を起用した。シンガポールはここ最近、フィンテックや暗号資産関連のハブとしての地位を固めている。

バイナンスの創業者でCEOのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao)は、8月23日の声明で「リチャード(テン)が今後、バイナンスのシンガポールのチームを率い、現地での暗号通貨のエコシステムを拡大してくれることを嬉しく思う」と述べた。

CZのニックネームで知られるジャオは、2019年からシンガポールに居住している。8月上旬にフォーブスが発表した「シンガポールの富豪ランキング」の22位にランクインし、推定保有資産は19億ドル(約2090億円)とされた。

テンは2015年から今年3月まで、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ政府の金融フリーゾーン「アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)」の規制庁のCEOを務めており、2007年から2015年にかけて、シンガポール証券取引所の最高規制責任者を務めていた。

今回のテンの起用は、シンガポールが暗号通貨やブロックチェーン、デジタル決済サービスなどのフィンテックコミュニティを構築する中で行われた。シンガポールのフィンテック企業は、2015年に100社程度だったが、現在は1400社以上に増加した。中央銀行によると、シンガポールは昨年、2019年に比べて34%多い10億3000万ドル以上のフィンテック関連投資を呼び込んでいた。

台湾フィンテック協会の副会長を務めるジェイソン・シューによると、シンガポールの規制環境は厳しいが、明確な基準でビジネスを後押ししており、暗号通貨関連の法律や政策の整備も進行中という。

シンガポールには、他の暗号通貨関連の企業も進出しており、8月初めに韓国のインターネット大手カカオは、シンガポールでブロックチェーン事業を開始した

編集=上田裕資

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