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ジャスティン・ブラウ(Daniel Zuchnik/WireImage)

3LAUのアーティスト名で知られるDJで音楽プロデューサーのジャスティン・ブラウは、今年2月に過去のアルバムをトークン化して1170万ドル(約13億円)もの売上を叩き出した。彼は、過去1年間の十数回のNFTオークションで、合計2000万ドル以上を獲得している。

そのブラウが8月26日、ピーター・ティールが運営するFounders Fundと、暗号通貨に特化した投資企業パラダイム(Paradigm)の主導で1600万ドルのシード資金を調達し、音楽投資プラットフォーム「ロイヤル(Royal)」を立ち上げたと発表した。

ロイヤルは、NFTを通じて音楽ファンが楽曲やアルバムを所有できるようにすることで、音楽の所有権へのアクセスを民主化しようとしている。この仕組みで、音楽ファンは好きなアーティストがブレイクした際に、ロイヤリティを得ることができる。

「アーティストの人気は、大手のレコードレーベルではなくファンたちに支えられている。有名アーティストを初期段階から応援していた人は、報酬を得るべきだ」と、ブラウは述べている。

ブラウは1月に「Building the Investable Layer of Music」と題した論文を発表し、NFTが音楽家とファンの間にどのようなつながりをもたらすかについてのビジョンを解説した。

彼と彼のチームは、ロイヤルの事業を通じて、楽曲の原盤権をトークン化し、ライブのチケットやバックステージパス、グッズなどの特典を提供したいと考えている。これらはすべて、ロイヤルのNFTプラットフォームを通じて実現される。

「彼らの試みは、音楽業界に革新をもたらすものだ。クリエイターは、所属事務所やレーベルを介さずに、ファンに直接アプローチすることが可能になる」と、パラダイムの共同創業者で、暗号通貨取引所のコインベースの共同創業者でもあるフレッド・エールサムは述べている。

ブラウによると、ロイヤルは今後8カ月から1年の間に事業を本格化させる予定で、すでに複数の人気アーティストと交渉を進めているという。同社は、短期的にはNFTの販売額の10%以下の手数料をアーティストに請求するが、最終的には完全な「コミュニティ運営」のプロジェクトを目指している。

レーベルとの提携も視野に


各国の規制当局の関係者は、NFTを証券として規制するべきだと主張しているが、ロイヤルはこうした懸念に対処するために、弁護士などの専門家チームの指示を仰ぎ、法的枠組みへの対処も進めているという。

ブラウはまた、ロイヤルが究極的には大手レーベルの既存のビジネスモデルを破壊すると考えているが、レーベルとのコラボレーションの可能性も排除しておらず、最終的にアーティストの成功にファンが参加できる仕組みの構築を目指している。

「ロイヤルは主に、完成された楽曲を持つアーティストのためのソリューションだが、音楽制作のプロセスで、レーベルは一定の役割を果たすと考えている。我々は常にドアをオープンにして、あらゆる人々を巻き込んでいきたい」と、ブラウは話している。

編集=上田裕資

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