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コーラル・キャピタル

ベンチャーキャピタル(VC)のコーラル・キャピタルは、新たに3号ファンドを組成した。運用規模は約140億円。日本のVCは国内の事業会社を中心に出資を募るのが主流だが、3号ファンドは大部分を国内外の機関投資家から調達した。さらに、ペイパル創業者のピーター・ティールが率いる米トップクラスのVC、ファウンダーズ・ファンドなど、地域別では海外投資家の出資比率が3割を超えている。

今回でコーラル・キャピタルの運用総額は約300億円となった。1号、2号ファンド同様、3号ファンドは業態やテーマを問わず、シード期からシリーズAラウンドまでのスタートアップが投資対象。1社あたりの投資額は初回で3000万円から5億円、追加投資は最大20億円を予定している。

3号ファンドを通じて、コーラル・キャピタルでは、日本のスタートアップを海外の投資家とつなぐ架け橋の役割を果たしていく。国内スタートアップの調達総額は過去10年間で飛躍的に増加し、2021年上半期は3245億円、1社あたり調達規模も平均で3億8000万円(INITIAL調べ)と大型化しているが、それでも米国や中国と比較すればいまだ桁違いに小さい。日本のスタートアップにとって、成長へのアクセルを加速させるための海外投資家からの大型調達が重要になっている。

コーラル・キャピタル創業パートナー兼CEOのジェームズ・ライニーは、「日本のスタートアップエコシステムは大きく成長しているが、まだデカコーン(株式評価額100億ドル以上の未上場企業)は輩出されていない。今後は、ミドル・レイターのステージでどれだけ大きく調達できるかが明暗を分ける。海外投資家を巻き込んで100億円以上の調達件数を増やし、ユニコーンだけでなく、デカコーンを目指そうという考え方を日本に普及させたい」と意気込んでいる。

ミドル以前の早い段階から海外投資家との関係構築の足がかりをつくれることは、スタートアップにとって大きなアドバンテージだ。実際、今年6月には、クラウド人事労務ソフトのSmartHRが、ライト・ストリート・キャピタルなどの海外勢を中心とする投資家から約156億円を調達したが、同社に対してコーラル・キャピタルはミドル以前のラウンドから投資しており、その後の海外投資家との関係づくりをサポートしてきた経緯がある。

なお、3号ファンドの運用期間は10年だが、デカコーンの創出に向けた長期的な支援を念頭に置き、最大で14年まで延長可能としている。

文=Forbes JAPAN編集部

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