魅力を伝えるコストは惜しまない
──Makuakeも、まさにおっしゃった3つの要素が伝わりやすいサービスになっているのかなと感じます。
今お話しした3つを伝えることが難しい流通が多いですよね。
例えばリアル店舗の棚で「価値の裏にあるストーリー」を伝えようとしてもスペースに限りがあるのでなかなか伝えられない。伝えることが大切なのはわかっているけれど、現地の販売員が思いを持って伝える以外に方法が無かったりします。
マクアケ代表取締役社長 中山亮太郎(提供:DIMENSION NOTE)
一方でMakuakeがなぜ長い商品ページになっていて、動画も埋め込めるようになっているかというとその3つの要素をしっかり伝えるためです。全ての案件にキュレーターというアドバイザーをつけているのも、3つの要素を表現するサポートのためです。
全ての案件にプロのキュレーターをアサインするのは労働集約的で経済合理性が無いと指摘されたりすることもあります。
しかしながら、我々のサービスの本質的価値はそこであり、商品の魅力を引き出して世の中の人に対して伝えるためのコストは惜しまないと役員全員で確認した上で意思決定しています。
この意思決定は我々らしい誇れる部分であると自負していますし、それが非常に良い価値を生み出せているんじゃないかと思っています。
本当に生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残っている世界の実現のために、これからもMakuakeは挑戦し続けたいと思います。
──御社はサイバーエージェントの子会社としてスタートしています。その点について良かったこと、苦労したことなどがあればお聞かせください。
よく「大企業内の新規事業だから資金は潤沢だし、失敗しても戻る場所があるんでしょ?」と言われることがあるのですが、実態は全く違います。創業した時から戻る場所なんて無いと思っていましたし、資金についても常にギリギリの中でやってきました。
──御社のようなプラットフォーム事業を収益化するための投資額としてはかなり少ない規模ですね。
たぶん平均からすれば桁が1つ少ないのではないでしょうか。
投資額が通常の1/10、1/50で事業成長出来たのは、普通は10人でやるような仕事をどうやって2人でやるかといったように、限られた資源の中で創意工夫する癖が染み付いていたからにほかなりません。
一方で普通のスタートアップと異なる部分で良かった点は「人材」です。