こうした傾向には、人口動態も影響している可能性がある。たとえば、2019年にワイン・マーケット・カウンシルが実施した調査によると、比較的若いZ世代とミレニアル世代の31%が飲酒量を減らしていることが明らかになっている。
また、ミレニアル世代のなかでも年齢が高めの人たちは、ちょうど育児や働き盛りのステージに入っており、飲酒をやめるというより、飲む量を減らしたいと考えている可能性がある。ベビーブーマー世代の場合は高齢化が進んでいるため、医学的な理由から飲酒を減らさざるを得ない可能性がある。
Noloワインの課題は味
Noloワインについて頻繁に耳にする主な課題は味だ。消費者すべてが、ノンアルコールワインにありがちな甘めのテイストを好むわけではない。一方、低アルコールワインは度数が0.5%から10%で、口当たりが軽めとなっている。
味や口当たりが変わってしまうのは、多くの場合、アルコールを除去することでコクが奪われるせいだ。たとえるなら、全乳と無脂肪乳の違いに似ている。
また、別の問題として、低アルコールワインの定義が曖昧であることも挙げられる。IWSRによると、ノンアルコールワインのアルコール度数は「0.5%未満」、低アルコールワインは「7.5%未満」とされている。
しかし、米国市場に新しく登場している低アルコールワインの多くは、度数が7%から10%で、定義から大きく外れている。
ラベリングも課題だ。「グラス1杯の量」とされるものが、4オンス(約118ml)から5オンス(約148ml)と一定していないのだ。この問題をさらにややこしくしているのは、缶やびんなどワインの容器の大半が、米国で使われている単位のオンスではなくメートル法で規定されており、125mlから750mlとさまざまなことだ。
ワイン容器のなかに、グラス何杯分が入っているかを把握するためには、オンスからミリリッターへの変換や、予備知識が必要となる。