性別による健康格差、性と生殖に関する医療に深刻な影響

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性分野での健康に関し「普通」は存在しない。しかし、自分の体の変化に注意を払い、自分にとって何が普通かを理解することで、何か問題がある場合はそれに気づくことができる。

性の分野の健康に関し医師の診察を受けることは、神経が疲れる問題かもしれない。しかし最近の調査では、女性の生殖器を持つ女性やトランスジェンダー男性、ノンバイナリー(性認識が男女のどちらかに分類されない性認識)の人たちは、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)について医療の支援を求める際、自分の声を聞いてもらえていないと感じるリスクが5倍であることが示された。

そうなれば患者は非常に失望させられ、本当に必要なときに医師の助言を求める意欲がそがれてしまうかもしれない。

婦人科がんに関する英慈善活動団体ザ・イブ・アピール(The Eve Appeal)は5月末まで、キャンペーン「Get Lippy(生意気になろう)」を展開している。

婦人科がんは子宮頸(けい)、卵巣、子宮・子宮内膜、膣(ちつ)、外陰部の5つの部分のがんに分けられる。ザ・イブ・アピールは性に関するがんについての誤った通念やスティグマ(汚名)を晴らすことを目指していて、患者が医師に自分の声を聞いてもらっていない、医師に力づけられていないと感じた場合はそれは正しいことではなく、患者はより良い待遇を得る資格があるというメッセージを広めたいと考えている。

同団体は英世論調査会社ユーガブ(YouGov)を通して調査を実施。その結果、女性やノンバイナリー、トランスジェンダー男性の患者は、医療従事者に自分の声を聞いてもらえていないと感じることが他よりはるかに多いことが分かった。また23%の人は、自分の心配事への対応に失望させられたと答えていた。

ザ・イブ・アピールは「婦人科がんとその症状は『女性の問題』としてあまりに長い間軽視され、拒否され、沈黙させられてきた」と述べ、「婦人科がんは全員の問題で、あなたが直接影響を受けるかもしれないし、愛する人が影響を受けるかもしれない。この議論に全員が関わる必要がある」と続けた。
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翻訳・編集=出田静

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