患者の性別に関するアイデンティティーが医師と接した体験に影響を与えることを示唆する研究は、ザ・イブ・アピールの調査が初めてではない。「性別による健康格差」という言葉は、患者の性別に関するアイデンティティーが患者として受ける配慮や処置に影響を与えかねないことを示している。
医学誌アカデミック・エマージェンシー・メディシン(Academic Emergency Medicine)に2008年に発表された研究によると、女性は男性と比べ、痛み止めを処方される可能性が25%低いと結論づけている。
また、メリーランド大学の研究者らが2001年に発表した研究では、自らの性別を女性と認識する人が慢性的な痛みに関する正当な懸念を医師に相談した場合、こうした懸念は医療専門家から「感情的」「心因性」「実在しない」とされることが多かった。
自身の健康に関して懸念を抱いている場合、担当医師に軽視されることはとても危険なことになりかねない。ザ・イブ・アピールに回答した人の20%は、診察の際に自分が取るに足りない問題を取り上げていると感じさせられたと答えており、重要な問題について尋ねる機会が持てた、検査してもらえた、婦人科分野の健康について理解し自信が持てたと感じられなかったと答えていた。
ザ・イブ・アピールは今回の「Get Lippy」キャペーン活動を通し、婦人科分野の健康に関する議論を広く開放することを願っていると発表している。
あなたが婦人科がんの症状について全く分からないと感じている場合、それはあなただけではない。英非営利団体レディー・ガーデン・ファウンデーション(Lady Garden Foundation)が実施した調査からは、78%の人が5つの種類の婦人科がんを意識しておらず、86%の人はどのような症状に注意すべきかを知らなかった。
5種類の婦人科がんを全て調べることができる1つの検査というものは存在しないが、症状に対する理解を深め、それを日記に記録することで、診察のときに具体的な感覚を伝えることができるだろう。