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2021.05.19 08:00

スマートシティ構想の旗手たちに聞く、成功の法則

Getty Images

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進化する個人の働き方、変革を続ける企業、変化する個人と組織の関係性、この3者の交差点は、いまどこにあるだろうか。

4月24日発売のForbes JAPAN6月号では「新しい働き方・組織」論を特集。ビジネスとは異なる分野の専門家たちの取り組みや哲学から見えてくる、新しい時代の組織や働き方とは──。

現在、福島県会津若松市でスマートシティプロジェクトに携わる、アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 中村彰二朗氏と、元エストニア投資庁日本支局長で、現在、香川県高松市でスマートシティ構想「スマートシティたかまつ」に携わる山口功作氏に話を聞いた。


──日本のスマートシティをリードされているお二人。まずは、現在のお取り組みを教えてください

中村彰二朗(以下、中村):私が会津若松に移り住んだのは震災直後の2011年8月からで、もともとCSR事業の一環として震災復興の目的で会津に入り、いつの間にか10年経ってしまいました。

9年前に立ち上げたスマートシティが象徴的なプロジェクトで、スマートシティと聞くと街中にドローンが飛んでいるような「未来都市」をイメージする人も多いようですが、会津は歴史の宝庫のような街なので、昔からの街の成り行きを大切にしながら、デジタルを利用して健康で幸せなライフスタイルをめざす。

そしてデジタルの恩恵を市民に還元していく、というビジョンで動いています。グローバルな観点からいうと「レトロフィット型スマートシティ」と呼ばれていて、DXによる地域活性プロジェクトを市民主導で実践しているのが会津プロジェクトの特徴だと思います。

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(アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 中村彰二朗氏)

山口功作(以下、山口):僕はもともと駐日エストニア大使館に席を置いて、デジタル社会普及啓蒙プロジェクトを推進していたのですが、3年ほど前に東京を離れた新天地での仕事を模索していた頃、中村さんとのご縁があり、それ以来会津企画に関わっています。また、自身も2018年に縁もゆかりもない高松に移住、現在は「スマートシティたかまつ」という構想に携わっています。

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(香川県高松市 スマートシティ構想「スマートシティたかまつ」山口功作氏)

──テクノロジーを使って人と組織、人と場所との関係をいかに変えていくかが今問われている中で、その本質をどうとらえていますか

中村:平井卓也デジタル改革担当大臣は、「DXは人間中心」、台湾デジタル担当相のオードリー・タン氏も「DXは人と人とを繋ぐツール」と述べています。つまり、DXにはデジタルツールを利用して、自分の意志を様々なものに反映できる利点があるという概念を日本国民全員が理解する必要があると思います。

自分の意志で自分が持つデータを地域や家族、さらに次世代のために使ってもらうという、もっとインタラクティブで市民中心のオプトイン社会 (自らの選択をする社会)を築いていく必要があるわけです。
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インタビュー・構成=谷本有香 文=賀陽輝代

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