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政府から認められてしまうと、暗号通貨の未来はない。認められなければ、それはそれで未来がない。そう。どちらに転んでも、暗号通貨が「死んでしまう」ルートが存在するのだ。

政府が暗号通貨を禁止した場合


まずは、明らかに悪いシナリオを検討しよう。政府が暗号通貨を禁止するケースだ。ロイターの報道によると、インドではこの懸念がまもなく現実のものになるかもしれないという。記事は以下のように伝えている

「インド政府が暗号通貨を禁止する法律を提案していることがわかった。取引だけでなく、デジタル資産を保有している者に対しても、一律に罰則を科すという内容だ」

こうした動きは、米国で行われている規制のさらに上を行く。米国では、市民権を持つ者および居住する者に対して、仮想通貨の所有を開示するよう義務づけている。

インドの提案は、まだ法律として成立したわけではないが、「暗号資産の所有、発行、マイニング、取引、ならびに送金を犯罪行為と定める」としている。つまりこれが成立した場合 、ビットコインなどの暗号通貨を保有することは法律違反とされることになる。

確かに、各国の政府には、暗号通貨の非合法化を望む明確な理由がいくつかある。

第1に、違法な資金移動を企てる薬物密売人やテロリストといった犯罪者にとって、暗号通貨はうってつけの送金手段だ。利用を禁止することで、薬物の取引やテロ行為がなくなるわけではないが、どこの政府も、こうした活動をやすやすと許して良いなどとは考えていない。暗号通貨が非合法になれば、法律の網をかいくぐろうとする犯罪者の活動は難しくなる。

アカデミー・セキュリティーズが最近発表した調査リポートでは、この問題に関して以下のような記述がある。

「デジタル通貨の時代に、トルコなどの国々が犯罪行為の取り締まりに乗り出し、米国では制裁をいかに効果的に実施するか苦慮している中、この問題はさらなる注目を集めている。もう一つ、急速にクローズアップされているのが課税の問題だ。暗号通貨の使用状況や課税に関して、取り締まりを強化しようとする各国政府の動きには注意が必要である」

どんな者が暗号通貨を購入・所有しているかにもよるが、取り締まりが行われれば、暗号通貨に壊滅的な打撃が及ぶおそれがある。

第2の、そしておそらく、より重要と考えられる理由は、各国政府が国民に自国通貨を使用してもらいたいと考えていること。これは、シニョリッジ(通貨発行益)と呼ばれるものが存在するためだ。

金融用語を解説するウェブサイト「インベストペディア(Investopedia)」は、シニョリッジを以下のように定義する。「通貨の額面(クオーター硬貨であれば25セント)から、その製造コストを引いた差額のこと。国家は、額面と比べるとごくわずかな費用で貨幣や紙幣を製造することができる」

シニョリッジの問題は、この仕組みが、国家によって発行された通貨を国民が使っている場合にのみ機能するところ。もちろん、ビットコインなどの有力な代替通貨が存在すれば、国民は自国通貨を使わなくなる可能性がある。

シニョリッジにまつわるこの問題は、インドだけでなく多くの国に当てはまる。そのため、他の国も暗号通貨を禁止する動きに出る可能性はある。

翻訳=長谷睦/ガリレオ 

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