中国のスタートアップ企業のAutoXは、1月に深圳で無料の無人運転のロボットタクシーサービスを開始しており、バイドゥの試みはそれに次ぐものだ。アルファベット傘下のウェイモは、昨年から有料の無人運転ロボットタクシーサービスをアリゾナ州フェニックスで展開中だ。
中国最大のインターネット企業の一社であるバイドゥは、自社のロボットタクシーサービスをApollo Goと名付けている。バイドゥは以前から、アポロのブランド名で自動運転のプラットフォームを展開している。同社のロボットタクシーサービスは、2022年の冬季五輪の会場となる北京の首鋼公園でスタートし、料金は30元(約500円)とされている。
バイドゥが事前に開示した情報によると、Apollo Goのサービスは、初期段階では車の助手席にスタッフが乗車するが、これらの人員は乗客に安心感を与えるために存在し、停車などの運転操作は行わないという。同社は、立ち上げからしばらくで、このスタッフを車両から外す計画だ。
バイドゥのバイスプレジデントのYunpeng Wangは、自動運転テクノロジーが中国のモビリティを大きく変えていくと述べた。
「当社のアポロチームは、北京以外の都市にも無人運転のロボットタクシーサービスを拡大し、環境に優しい便利なモビリティサービスを一般の人々がアクセス可能なものにする。自動運転テクノロジーの商用化は渋滞を緩和し、カーボンニュートラルを実現するためにも役立つ」と、Wangは述べた。
バイドゥのアポロプロジェクトには、以前は中国とシリコンバレーの双方のエンジニアたちが参加していたが、パンデミックが始まって以降のオペレーションは、ほぼ中国内のみで行われている。
バイドゥは先日、同社の自動運転車両の累計走行距離が1000万kmに達したとアナウンスしていた。この数字に匹敵するのは、ウェイモとロシアのヤンデックス(Yandex)のみだ。
バイドゥは、無人運転のロボットタクシーだけでなく、先進的な運転支援システム「Apollo Navigation Pilot」を開発し、中国で製造される乗用車に搭載することを目指している。