バークシャーでリスク管理を担っているバフェットは、米国の新型コロナ対策はとてもよく管理されたものだったと評価した。
バフェットによれば、決定的に重要だったのは、2020年3月23日に米連邦準備制度理事会(FRB)が介入したことだ。それ以前には、バークシャーに支援を求める電話がかかってきていたが、FRBの行動後、そうした支援は不要になった。その後の「支援・救済・経済保障法(CARES法)」に基づく財政出動も好ましいものだった。
ただ、バフェットのみるところ、こうした結果は確実に約束されていたことではなく、もっと悪い結果もあり得た。バフェットはお金を増やすこと以上に、お金を失わないことを重視しており、パンデミック初期の時点ではその後のシナリオに幅があったことが、自身が慎重になった理由の一つだったという。
2020年にバークシャーがとった大きな行動のひとつは、航空株の売却だった。これについてバフェットは、もしバークシャー大株主のままだったら、航空会社はバークシャーを頼りにした可能性があり、政府からの支援は得にくかったかもしれないと指摘した。
バークシャー側はこの席で、特別買収目的会社(SPAC)の急増にも言及し、こうした傾向はディール(投資先)探しを難しくしていると述べた。バフェットの盟友であるチャーリー・マンガーは、SPACのディールは良いディールだからではなく手数料を目当てに行われているとし、こうした活動を「手数料で動くマネー」と表現した。
いずれにせよ、バフェットは現在のコロナ禍について、バークシャーにとって最良の時とはみていないようである。バフェットはバークシャーが2020年を通じて大量の自社株買いを行ったことにもふれている。