ジレンマを解決するのは「2つの武器」
3つのアドバイスは、どれも間違ってはいません。しかし、どれか1つのアドバイスを忠実に実行しようとすると、他の2つのアドバイスと衝突しがちなのが問題です。
例えば、自分の頭でとことん考えようとすれば、人には相談しなくなります。また、考える時間が増えれば、そのぶんだけ行動量は減るでしょう。
あるいは、困ったらすぐ人に頼ると、自分で考えなくなりやすいですし、上司や先輩に相談してアドバイスをもらう時間のぶんだけ、営業活動時間は削られます。
また、しゃにむに行動量を最大化しようとすると、「考える時間」や「相談する時間」を確保するのが難しくなります。余計なことを考えないのが、行動量を増やす早道だからです。
さらに、新人に対しては、いろいろな人がかわるがわるアドバイスしてくるもの。みんなが何かと「言いたがる」のです。すると、新人営業パーソンは「みんながそれぞれ違うことを言ってくる。一体どうしたらいいのだろうか」と、また悩むことになるのです。
ここでそんな新人営業パーソンにお勧めしたいことが2つあります。
1つは工夫と改善を覚えること。もう1つは、相談のタイミングを上司と握ることです。この2つを身につけると、強力な武器になります。
工夫と改善を覚えると、行動量が「結果として」増える
「工夫と改善」において大事なのは、「何の壁にぶつかっているか」を特定することです。
例えば、新規顧客へアプローチする場合、「電話がそもそもつながらない」ことが壁だとしましょう。まずは、その壁に対して、できそうなことを3つ書き出します。時間をかけずにパッと思いつくレベルで構いません。そして、3つを全部試します。ここでは「1つのやり方にとらわれない癖をつける」ことがポイントです。
例えば、新規営業で「電話がそもそもつながらない」ことが壁ならば、
・会社の代表電話にかけて取り次いでもらうための伝言を工夫する
・メールで連絡を送るときの文言を工夫する
・郵送で資料を送ってみてから電話する
などを試してみて、それぞれの反応をチェックします。つまり、実験モードに入るということです。
そして、試してみるネタが枯渇したら、「営業 悩み」×「自分が困っている壁」でGoogle検索してみましょう。例えば「営業 悩み 新規 電話 つながらない」で検索すると、いろいろなテクニックが出てくるはずです。そこから、アイデアの幅を広げ、できそうなことをまた試してみます。
何の考えもなしにただ数をこなすだけでは、精神的につらくなってしまいます。例えばコールをするにしても、ちょっとずつ、違う言い方を試してみましょう。メールなら、書き方を変えて試してみるなど、とにかく実験するのです。
「工夫と改善」の楽しさを実感できるようになると、自然と行動量が増えていきます。それでも活路が見いだせなければ、上司にいち早く相談するべきです。