マッキンゼーが実施した最新調査では、多くの企業がいまだに、遠隔勤務を巡る方針を決めかねている状況が明らかになった。一方で、従業員の大多数は柔軟性の高い働き方を歓迎しているので、問題が起こっているという。なかには、オフィスに出勤して働くくらいなら、減給されたほうがましだと考える従業員もいる。
夢のような場所に移住しながら仕事を維持し、パンデミック中に証明してみせたような生産性を維持できる人たちを、今後も見かけるようになるのだろうか。在宅勤務を主要な働き方とする経済とは、どういうものなのだろうか。そうした経済社会は、現実的に可能なのだろうか。働く人の約30%は、勤務先が、パンデミック前の勤務形態へと戻るよう強いるなら、より柔軟に働ける別の仕事を探すと回答している。これにより、優秀な人材を引き寄せられる国や地域がこれまでとは変わり、多くの企業が価値の低い労働者を抱え込むこととなって、競争力を失う可能性が出てくる。
欧州委員会の調査によると、欧州地域における雇用の37%はリモート勤務が可能だという。ただし、その割合は国によって差があり、ルーマニアは27%、ルクセンブルクは54%、スペインは34%という結果だった。こうした状況は、新たな社会階級の誕生を招き、これまでにないデジタル格差を生むことになるだろう。新たな階級に属する人たちは、どこにいても仕事ができ、パンデミック前とは大きく異なる基準で居住地を選ぶことができる(これまでは、職場までの距離という制限を受けていた)。多くの国や地域にとっては絶好のチャンス到来であり、この機を逃すまいとすでに動き始めているところもある。
もちろん、ただバケーションに出かけることと、そこに住んで働くことではわけが違う。しかし、パンデミック前であればほぼ論外だった移住が今、実現可能なものとなっている。
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