ドルゴフにとって、自動運転テクノロジーを完成させるという課題は、予想以上に厳しいものになったという。「2009年にスタートしたときに、この技術の長期的ゴールは見えていたが、どれほど複雑な問題が存在するかは明確ではなかった」と彼は述べた。
同社の競合企業は、用途を限定したテクノロジーを開発している。GMのクルーズや、アマゾンのZooxらは主にロボットタクシーサービスの構築に注力しており、TuSimpleは高速道路を走行する大型トラックをターゲットとしている。さらにNuroやGatikらは、配送車両に特化しようとしている。
全ての領域に適合するテクノロジーを開発
しかし、ウェイモは、これらのすべてのエリアを同時に追求し続ける計画だ。
ドルゴフは、自動運転には様々な用途があるが、テクノロジーのコア部分には共通したものがあると述べている。「当社はまず、配車サービス分野に注力するが、この分野で成熟したアプリケーションは、配送やトラック輸送にも応用可能で、それらをより強固なものにしていく」と彼は述べた。
2020年に、ウェイモは初めてアルファベット以外の投資家から30億ドルを調達した。そこには、シリコンバレーのプライベート・エクイティのSilver Lake Partnersやアンドリーセン・ホロウィッツ、カナダ年金制度投資委員会、アブダビの政府系ファンドのムバダラらが含まれていた。
さらに、車両の組み立てやメンテナンスを手がけるマグナ・インターナショナルや、AutoNationも出資に参加した。
アルファベットは引き続き過半数の株主であり、そのリーダーシップは「私たちが提示したタイムフレームを支持してくれており、私たちの戦略的アプローチも理解してくれている」と、マワカナは話した。
ドルゴフによると、「他の出資元も同様に、ウェイモの長期的な成功に向けての最適化プランを支援している」という。「当社の事業は、社会にポジティブな影響を与えるだけでなく、市場にもインパクトを与え、大きな変革をもたらすものだ」と、彼は続けた。