自動運転が解除されることなく走行した距離では、米アルファベット傘下のウェイモ(Waymo)が前年からさらに伸ばして首位に。2位には米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のクルーズ(Cruise)がつけたほか、中国勢も引き続き上位に顔を出している。
同局が毎年出している「自動運転解除リポート」は、各社の自動運転技術の最新の開発状況を知る手がかりになるものだ。「解除」とは、ソフトウェアが不具合を検出したり、テストドライバーが危険と判断したりして、自動運転から人間による運転に切り替えなくてはならない事態を指す。
自動運転専門ブログ「The Last Driver Licence Holder」のまとめによると、ウェイモは総走行距離63万マイル(1マイル=約1.6キロメートル)近くに対してわずか21回しか解除が起きなかった。解除あたり走行距離は2万9425マイルと、前年の1万3219マイルから大幅に向上した。
クルーズの解除あたり走行距離も1万2221マイルから2万8520マイルに著しく伸びている。自動運転技術の性能の目安となるこの指標で両社は他社を大きく引き離しており、3位は中国のスタートアップ、オートX(AutoX)の2万367マイルとなっている。
電気自動車(EV)分野への参入をめざして車大手と交渉しているとされる米アップルも、カリフォルニア州で2020年11月までの1年間に1万8805マイルの走行実験を行ったが、解除あたり走行距離はたった144.6マイルで、29社中15位にとどまっている。
自動運転技術や自律走行技術は近年、進展がめざましい。たとえば米EV大手テスラの半自律走行技術「オートパイロット」は、車線中央への車の保持、交通を認識しながらのクルーズコントロール、半自律型ナビゲーションといった機能を搭載し、今後はオーナーが車を車庫や駐車場から呼び出せるようになる可能性もある。
テスラは2020年10月、一部の顧客向けに完全自動運転ソフトウェアのベータ版をリリースし、現在もテストを継続中だ。
カリフォルニア州の2020年版報告書によると、解除あたり走行距離の上位8社は以下のとおり(大カッコ内は1年間の総走行距離)。
1. ウェイモ(米国) 2万9425マイル[62万8839マイル]
2. クルーズ(米国) 2万8520マイル[77万49マイル]
3. オートX(中国) 2万367マイル[4万734マイル]
4. ポニーai(Pony.ai=小馬智行、中国) 1万738マイル[22万5496マイル]
5. アルゴAI(Argo AI、米国) 1万519マイル[2万1037マイル]
6. ウィーライド(WeRide=文遠知行、中国) 6507マイル[1万3014マイル]
7. ディディチューシン(Didi Chuxing=滴滴出行、中国) 5201マイル[1万401マイル]
8. ニューロ(Nuro、米国) 5034マイル[5万5370マイル]
(出所:California DMV/The Last Driver Licence Holder)