世界初「空飛ぶクルマ」の予約販売を開始、カプリンスキー真紀氏の米NFT社が開発

予約販売が始まったNFT社の「空飛ぶクルマ」


ASKAの強みは、路上での走行が可能なこと。世界で開発・製造されている「空飛ぶクルマ」(eVTOL: 電動垂直離着陸機)の多くは飛行のみ可能で、一般消費者や個人の購入を想定していない。ASKAは家の駐車場に駐車でき、普通の自動車と同じように走行ができる上、垂直離陸が可能になったことで、駐車場や充電スタンドなど、自動車とほぼ変わらない既存の交通インフラを利用できる。

NFT社は、「2026年の量産モデルで、100%電気で駆動する構造を確立した上で、将来的には、ガソリンから水素を使った発電機に切り替えることを検討しており、2030年ごろには、35万9000ドルまで価格を下げたい」としている。


操縦席の様子(イメージ)

ASKAはFAAと米国運輸省道路交通安全庁(NHTSA)のガイドラインのもと、開発と飛行テストを実施。電気自動車のリチウムイオン電池と発電機の両方を使うことで、飛行の安全性を確保し、緊急事態の対応も可能にした。2022年には実物大の飛行デモンストレーションを実施する予定。

購入希望者は、ウェブサイトを通じて5000ドルの予約金を取引の安全性を高めたエクスロー口座に入金し、予約リストに登録。条件を満たした購入予約者はストックオプションも付与される。購入予約者は、「ファウンダーズクラブ」に入会し、2026年の納車までに定期的に「空飛ぶ車」についての理解を深める場が提供される。価格には、そのほかライセンスの取得に必要な費用や、インテリアのカスタマイズデザイン費などが含まれる。

NFT社は、カプリンスキー夫妻が2018年に設立。同社は、2020年にNASAによるeVTOLなど次世代型エア・モビリティを推進するキャンペーンの一社に選ばれた。走行機能も備えた機体としては唯一の参加社。

真紀の夫で、共同設立者兼CEOのガイ・カプリンスキーは、「ASKAは、未来のモビリティを一新する可能性がある乗り物。ぜひ多くの日本人に関わってほしい」と話している。

構成=成相通子

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