2019年7月25日発売のForbes JAPAN「セルフメイドウーマン」特集の取材の際に披露した1.0のコンセプトデザインを経て、今回発表したのは3.0のモデル。路上では大型のSUVサイズで、自動車のように走行可能。走行中に折りたたんでいた6つのローターを広げると、垂直や短い滑走距離での離陸と着陸ができる。初回特別限定版は、リチウムイオン電池に加えレンジ・エクステンダー(発電機)を搭載し、4人乗車で最大250マイル(約402km)飛行可能。飛行中の操縦は半自律飛行で行い、米連邦航空局(FAA)の自家用の小型飛行機ライセンスが必要になる。
地上を走行中は、6つのローターを折りたたんだ状態になる。
NFT社の共同設立者兼会長のカプリンスキー真紀は、ASKAが担う役割についてこう語る。
「今はあまりに都市に集中しすぎています。東京でもサンフランシスコでも交通渋滞は深刻な問題ですし、密集した都市の居住空間は悪化しています。社会と経済の発展には、新しい交通ソリューションが必要です。ASKAのように、走行と飛行を兼ねた『空飛ぶクルマ』があれば、郊外にも住みやすくなり、選択肢が広がります。私たちのライフスタイルや住む場所、交通インフラを『再定義』する、100年に一度のような大きな転機になると思います」
特別限定版は78万9000ドル(訂正:約8600万円)で、1500機を生産予定。FAA(アメリカ航空局)の承認待ちで、2026年に納車を開始したいとしている。
ロスアルトスの目抜き通りに位置するショールームは360平方メートルで、デモモデルなどの展示室のほか、車内の座席に張るレザーが飾られた商談室、エンジニアが在中するオフィスも併設。訪れた人は、営業担当者だけでなく、エンジニアから直接、デザインや安全性について聞くこともできる。ショールームの一角には、NFT社のこれまでの「失敗作」も展示する。
15日にオープンしたショールームの外観(ロスアルトス)