民間宇宙旅行の実現はいつ? 各社現状のまとめ


・スペース・アドベンチャーズ

米スペース・アドベンチャーズは1998年創業の古参宇宙旅行企業。これまでに、ロシアのソユーズ宇宙船を使い民間人をISSに送ることに成功している。

同社はさらに今後、スペースXのロケット「ファルコン」を使い、民間人が搭乗した宇宙船をフロリダ州から打ち上げることを目指している。宇宙船は地球低軌道を5日間周回し、ISSにはドッキングしない。打ち上げは2021年後半から2022年初めを目標としている。

・前澤友作

日本の大富豪である前澤友作は、月を周回する初の民間人になろうとしている。前澤はスペースXと提携し、2023年までにミッションを完了する予定だ。

・ブルー・オリジン

アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾスが率いるブルー・オリジンも、民間宇宙旅行分野での大きなプレーヤーだ。ベゾスは先月初め、アマゾンCEOを退き他のプロジェクトに使う時間を増やすと発表した。その一つがブルー・オリジンだ。

同社はテキサス州西部の発射場から地球低軌道の宇宙旅行を提供する予定。ロケット「ニュー・シェパード」を使って、最大6人の民間人を乗せた宇宙船を宇宙空間と大気圏の境界であるカルマン線を少し越えたところまで打ち上げ、11分間の宇宙飛行を提供する。

価格は公式サイトでは発表されていないが、1人最低20万~25万ドル(約2100万~2700万円)との情報がある。

・ブルームーン

米国は現在、2024年までに初めて女性を月面に送ることを目指していおり、この「アルテミス計画」に使用する月面着陸船のコンペティションを実施している。同計画が成功すれば、月面での長期滞在が実現する見込みだ。ブルー・オリジンは、このコンペに参加し、月面着陸船「ブルームーン」を開発している。

・ヴァージン・ギャラクティック

リチャード・ブランソン率いる米ヴァージン・ギャラクティックは、米ニューメキシコ州の宇宙港「スペースポート・アメリカ」を打ち上げ場所としている。同社の「スペースシップ2」はまだ試験段階にあるが、間もなく民間人を乗船させることが期待されている。

同社初の宇宙飛行ではスペースシップ2を使用予定だ。最大6人を輸送でき、搭乗料金は25万ドルからとなる。

ブルー・オリジンのニュー・シェパードと同様、宇宙空間で過ごせる時間はわずかだが、離陸から着陸までの飛行時間は2時間半ほどある。

・ISS

ヴァージン・ギャラクティックは将来、ISSに向かうミッションも予定している。費用や宇宙空間に滞在する日数など具体的な計画は発表されていないが、民間人も希望者リストに登録ができる。

・まとめ

民間人のみによる宇宙旅行は今年後半、ついに実現するかもしれない。ただそれにはまず、安全性と政府の要件をクリアしなければならない。そうなれば、人々は宇宙との境界へと旅し、一生に一度の体験ができるようになる。

編集=遠藤宗生

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