ECBの専務理事のファビオ・パネッタは昨年10月、「デジタルユーロは、そこにどのような技術が用いられるかに関わらず、中央銀行が発行する信頼できる通貨であるという点で、暗号通貨とは根本的に異なるものだ」と述べた。
米FRBはデジタル・ドル導入に慎重な姿勢
「クリプトアセットはほとんどが規制されておらず、利用者に高いリスクをもたらしている。また、これらの資産は本質的な価値を持たないが故に、価格が非常に変動しやすく、投機的な商品のように取引されている」と、パネッタは述べていた。
バンク・オブ・アメリカは、ECBが今年の中頃までにCBDCの本格的な試験運用を決定すると予想している。しかし、FRBは独自のトークンの発行について、ECBよりも慎重な姿勢をとっている。
FRBのジェローム・パウエル議長は先月の上院委員会で、「私たちはデジタル・ドルを発行できるかどうかという問題を非常に注意深く検討している。この分野に一番乗りする必要はない。私たちはまず、正しく理解する必要がある」と述べた。
ビットコインの価格は、機関投資家の参入やインフレ懸念の高まりを受け、過去1年間で10倍に高騰した。3月17日に、モルガン・スタンレーは大手銀行としては初めて、富裕層限定で、ビットコインへの投資サービスを提供すると発表した。ただし、このサービスは、200万ドル以上を預託するリスク許容度が高い顧客のみが利用できるという。
ゴールドマン・サックスも先日、暗号通貨取引デスクを再開させていた。
ビットコインの価格は2017年に2000%以上も高騰したが、インドや韓国、中国などの国が規制を強化したことで、翌年には80%以上も暴落した。