I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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電気自動車(EV)大手の米テスラが仮想通貨のビットコインを15億ドル(約1570億円)分購入したことが明らかになり、多くの人がビットコインとの関係やその可能性、先行きについて再考している。テスラは、ビットコインの価格が変動しやすいことは理解しているとしつつ、主要自動車メーカーとして初めて自社製品の購入でビットコインを受けつける方針も示した。

大手企業によるこうした仮想通貨投資は、議論を呼ぶものではあっても、それ自体はとりたてて問題ではない。それはむしろ、投機的な「証券」としてのビットコインのノーマライゼーション(普通のものになること)を反映した動きだろう。言い換えれば、ビットコインは今後、普通に取引される証券のようなものになると想定されているということだ。

ビットコインはこのところ強気相場なだけに、テスラによる今回の投資を評価するのは難しいが、そうした騰勢ゆえに遊休資産のある企業や個人の投資対象になったのは確かだ。

することなすことが大きな反響を呼ぶマスクのいつもの例にもれず、ビットコインの購入もその価格に影響を及ぼした。また、ビットコイン購入を公表した8日、テスラの株価が一時2%ほど上昇したことからすると、市場は今回の措置を肯定的にみているようだ。

ビットコインが今週、一時1ビットコイン=4万8000ドルを超えて史上最高値を更新したことや、政府が仮想通貨を統制しようと「資産」扱いし始めていること、サッカー選手らが報酬の一部をビットコインで支払ってもらおうと交渉していることなども、ビットコインのノーマライゼーションとしてしか解釈できない。そして、ビットコインが普通のものになってきたために、投資家はますますビットコインに引きつけられるようになっている。

まとめれば、わたしたちがいま目の当たりにしているのは、ビットコインのノーマライゼーションである。イーロン・マスクのような人物やテスラをはじめとする重要な企業の決定は、それをさらに一歩進めるものにすぎない。

編集=江戸伸禎

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