里山に住む「ミニマリスト」のDIY的暮らし方

Ronnie Kaufman/Getty Images

プラスチックの語源は、ギリシャ語の「プラスティコス」で、型に入れてつくるものという意味。さまざまな形状に加工しやすいことから、あらゆる日用品に使われているが、世界はいまプラスチック・フリーへ転換するときを迎えている。

EUは、代替品が既に存在する使い捨てプラスチック製品の販売を禁止している。コカ・コーラ社は、2030年までに全てのペットボトルを再生プラスチック50%でつくるという長期的目標を掲げた。

こうした動きは加速するだろうとみられているが、果たして脱プラスチックは本当に進むのだろうか。

日本のプラスチック消費は世界第2位


プラスチックが石油からつくられるのは周知のとおりだ。世界のプラスチックの年間生産量は過去50年間で20倍に拡大し、その年間生産量は約3億8000万トン*で、全人類を合わせた体重に匹敵する重さだという。

日本国内に目を向けてみると、1人あたりのプラスチックごみの量はアメリカに次いで世界で2番目に多く、年間32kgに相当する(UNEP国連環境計画の報告書「シングルユースプラスチック」)。2020年7月、日本政府はレジ袋有料化へと踏み切ったが、このごみの量を考えれば、もはやレジ袋の値段で論争している場合ではないことがわかるだろう。

「いや、プラスチックはリサイクルされているのでは?」と思った人もいるかもしれない。たしかに、日本のプラスチックのリサイクル率は2017年時点で86%だと言われている*が、この数字はサーマルリサイクル(プラスチックごみを燃やした際に得られる熱エネルギーを回収するリサイクル)が大半を占めているため、単純にプラスチックごみが別の商品に生まれ変わっているわけではないというカラクリがある。

欧米の基準では、サーマルリサイクルはリサイクルには含まれない。プラスチックごみをそのままプラスチック製品へ生まれ変わらせるマテリアルリサイクルと、化学分解したあとプラスチック製品へ生まれ変わらせるケミカルリサイクルだけを「リサイクル」と呼び、サーマルリサイクルは「熱回収」「エネルギー回収」としてリサイクルとは別に扱われる。

欧米と同じ基準でみると、日本のリサイクル率は19%となり、OECD加盟の34カ国のうち第27位となり、世界で2番目のプラスチック消費がありながらも、リサイクルでは他国に大きく遅れをとっていることがわかる。

浴室をプラスチック・フリーにして見えたこと


家のなかを見渡してみると、至るところにプラスチック製品が入り込んでいる。それもそのはずで、スーパーの陳列棚をイメージしてみてほしい。食品はもちろん、シャンプーや洗剤といったほとんどの日用品は、何かしらプラスチック製の包装がされている。

シャンプーをいくら詰め替え容器に移して使っても、その容器もプラスチックであることに変わりがない。それどころか詰め替えの終わったプラスチックパックを洗って、乾かして、リサイクルごみに出すのもひと苦労だ。


PhotoAlto/Sandro Di Carlo Darsa/Getty Images

この詰め替えをやめたいと思ったとき、ふと、液体だからプラスチックである必要があるのだということに気づいた。

ボディソープやシャンプー、コンディショナーなどを、「液体」から「固体」に変えればいいのだと思い、すぐに固形石鹸に変えることにした。シャンプーも、「シャンプーバー」といった名称の固形のものが存在する。詰め替えの必要がなくなるし、すぐに汚れが目立つようになるボトル容器類も浴室内に置く必要がなくなる。

すごくいい発見をしたと思ったのもつかの間、固形石鹸も簡易包装がされていることに気づいた。プラスチックボトルやパックに入った液体石鹸に比べればプラごみの量は少なくて済むが、プラスチック・フリーにはならない。

文=増村 江利子

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