著名アナリストのミンチー・クオによると、iPhoneにペリスコープレンズが搭載されるのは、これまでの予想よりも1年遅い2023年になるという。
潜水艦の乗組員が、海上の様子を確認する際に用いる潜望鏡のことを、ペリスコープと呼ぶが、ペリスコープレンズは光を90度屈折させることで、レンズとセンサーを水平ではなく直角に配置可能にし、スマホのような薄いデバイスでも、高倍率の光学ズームを可能にする。
このテクノロジーはすでにサムスンなどの端末に搭載されており、Galaxy S21 Ultraの場合は10倍の光学ズームを実現している。これに対し、iPhone 12 Pro Maxの光学ズームは2.5倍というかなり見劣りする数字になっている。
iPhoneにペリスコープレンズが搭載されるのが2023年というのは、かなり残念な話だが、クオによるとアップルは今年と来年のiPhoneのカメラに大幅なアップデートを加えるという。今年発売される上位モデルには、従来の5枚構成から6枚構成に変更された高品質の望遠レンズが搭載される見通しだ。
レンズの枚数を増やすことで、光学的な歪みが軽減され、画質の向上につながる。さらに、来年のiPhoneのレンズには、「ユニボディ」デザインが採用され、カメラモジュールの小型化が可能になるとされている。
アップルは、複数のペリスコープ技術の特許を取得しているにも関わらず、市場への投入にあたって非常に慎重な姿勢をとっている。その理由は定かではないが、すべての人が強力なズームレンズを必要としているわけではないことを考えると、このテクノロジーがiPhoneに搭載されるのは、まだ先のことになりそうだ。
しかし、アップルのフラッグシップ端末は、優れたカメラ性能を備えており、ここに強力な光学ズーム機能が加われば、競合製品との差を一気に縮められるはずだ。