ほぼあらゆる業界で主要企業としての地位を保ち続けているマイクロソフトは、医療関連サービスへの投資にも力を入れてきた。医療分野で効率性への重視が増すなかで、テクノロジーを受け入れる傾向が強まるのに伴い、マイクロソフトは医療分野での存在感を増し、急速に勢力を広げている。
同社は2020年、クラウドサービスを医療分野へ拡大し、「医療データを大規模に管理し、医療機関がケアを連携させて患者の体験を向上させ、業務効率を向上させるための機能」の提供に乗り出した。「医療データに関するエンドツーエンドのセキュリティ、コンプライアンス、相互運用性のサポートを支援する」ものだ。
そしてマイクロソフトはこのほど、同プラットフォームの最初のアップデートを発表した。これにより、「バーチャル医療、継続的な患者モニタリング、ケア連携、新たに8つの言語のサポート」に対応する、より堅牢で新しい医療機能が実現する。
このアップデートは絶好のタイミングだ。パンデミックによって大きな影響を受けた結果、2020年には医療提供に関する既存の枠組みが激変し、遠隔医療サービスやバーチャルでの医療提供に重点が置かれるようになった。医療機関や医療分野のリーダーは、そうした市場に効率的に参入し、成功するための方法を引き続き模索している。
マイクロソフトのインフラは、その点で役に立つ。同社でワールドワイド・ヘルス担当コーポレート・バイスプレジデントを務めるトム・マクギネスは、公式ブログで次のように説明している。
「新たに導入されるMicrosoft Dynamics 365の患者アクセス機能は、既存の患者ポータルを通じたバーチャルと対面の両方の診察を患者自身がスケジューリングする際の柔軟性を高め、Azure Health Botなどのバーチャル医療アシスタントを統合してトリアージやスケジューリングを行い、治療チームからのフォローアップや健康指導をシームレスに受けられるようにすることで、患者のバーチャル体験を効率化するものだ」
これらのサービスに加えて、ほかの統合型ツールも導入される。たとえば、ネットに接続したウェアラブル端末向けの患者モニタリングサービスや、医療機関のためのデータ解析ツール、チームコラボレーションを促進するためのプラットフォームなどだ。