上司に複数の選択肢から選んでもらうことで、いくつか重要なことが達成できる。
1つ目は、上司に対し、自分が問題解決に実質的な貢献をしたと感じさせられることだ。解決しなければいけない問題が多過ぎると愚痴る上司は多いが、本当のところ、上司は大きな問題を解決することが好きなものだ。つまらない問題だと思うものには興味を示さないだろうが、ここで言う問題はそういうものではない。顧客や製品などをめぐる重要な問題については、上司は解決に貢献したいものだ。
2つ目に、上司に複数の選択肢を提示することで、ある特定の方向性を強いられているという感覚が与えることを防げる。自分が意思決定プロセスに関わることで、上司の心の中では反論したくなる気持ちがすっと消える。あなたも自分に置き換えてみれば、何か特定の決断を強いられていると感じれば反論したくなるのは一緒だろう。そのプレッシャーが弱まればすぐに血圧は下がり、気持ちが軽くなる。
3つ目の利点はとても意外なもので、複数の選択肢を示すことで上司が介入やマイクロマネジメントを行う可能性が低くなることだ。上司はきっと、そのうちの一つを選んで「これにしましょう。進めてください」としか言わないだろう。
もしあなたが1つの解決策しか提示しなかったら、上司はただ自分が貢献していると感じたいがために、あなたの案に手を加えようとする。一方で、いくつか選択肢を与えられれば、あなたの案を根本から変えずとも自分の影響力を行使できる。
これは、上司とあなたの両方にとってウィンウィンとなる。