最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

急成長した企業の多くは、社内外のクリエイティビティを生かすことで製品やサービスを育てている。経営者たちは創造性を社員からどう引き出しているのか? 過去の取材からその秘密を紐解いた。


アマゾン・ドット・コム ジェフ・ベゾス 創業者兼CEO


「週に一度もブレインストーミングが行われなかったら、私はスタッフに苦情を言うよ。『頼むよ、私を助けてくれ』とね」


(Forbes JAPAN 2018年12月号)

アマゾンで最も重要な言葉―。それは、「イエス(いいよ)」だ。「仮に、社員が斬新なアイデアを思いついたとしよう。その社員は上司やその上司、そのまた上司を説得する必要がある。1人でもノーと言えば、アイデアがつぶされかねない」と、ベゾスは伝統的な企業の上下関係についてそう説明する。そこで彼は、社員が「イエスへの複数の経路」をもてるようにした。アイデアに何百人という管理職がゴーサインを出すことができ、従業員はそれを試すことができる。なお、アイデアをプレゼンする際、パワーポイントは使用禁止だ。A4文書1ページの「1ページャー」か、添付資料を除いた6ページでまとめた「6ページャー」でプレゼンする。誰が書いてもよく、評判がよければ経営陣の目に届くことも。

アマゾンでは、製品・サービスから自分の業務内容まで、あらゆるものを「発明」することが求められる。それも完全に問題を解決できるほどのものでなくてはならない。例えば、スーパーのレジ会計を便利にするアイデアとして自動販売機が提案されたが、却下された。行列が解消されないからだ。その結果、生まれたのがレジなしコンビニの「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」だった(下)。



グーグル スンダー・ピチャイ CEO


「グーグルでは『面白いね!』で始まり、アイデアがうまく回るように助け合う。楽観主義と問題解決の企業文化が存在する」


(Forbes JAPAN 2020年2月号)

グーグルでは、連絡先やレポートラインといった社内の情報を徹底的に可視化することで、従業員が協働しやすいような環境づくりをしている。従業員が互いに書き込める、Google カレンダーや、文書や表計算ソフトからなる「Google ドキュメント」を使って仕事の効率化を図るのはもちろんのこと、会議では、発表者のプレゼンツール「Google スライド」に参加者がどんどんアイデアを書き込むことでアイデア出しがしやすい空気を醸成するよう心がけている。特に、新人に対してはグーグルの文化に早く慣れてもらうよう、意識的にそうするという。フィードバックしやすい環境が発想を柔軟にし、ミスを恐れない企業文化の形成に役立っているのだ。



テスラ イーロン・マスク CEO


「ほかの産業とアイデアを交換することは、とても役立つね」


(Forbes JAPAN 2015年12月号)

テスラでは、姉妹企業のスペースXからアイデアを借用している。モデルSのボディとシャシーにアルミを多用しているのもその一例だ。太陽光発電企業「ソーラーシティ」を買収したのちは、ギガ・ファクトリー(下)の開発にも知見を生かしている。

また、テスラにはGMやフォード、クライ スラーなどの自動車メーカーで働いた経験をもつ者はほとんどいない。なぜならマスクは「経験の有無」ではなく、複雑な問題を解決する「能力」を基準に人を採用するからだ。同社では、採用候補者が「これまでにどのような複雑な問題を解決してきたか」を細かく聞くという。マスクは、彼らが不確実な環境下でも働ける力をもっているかどうかを審査したいからだ。

文=フォーブス ジャパン編集部

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