米国で1930年代に着想が生まれたというジープ。高性能な4輪駆動システム、頑強だけれど軽量な車体、アセンブリーごとに交換するパーツ設計……と、自動車づくりへの貢献度は高い。
ジープの特徴は、時代ごとにプロダクトの内容をアップデートしていることだ。今回はプラグインハイブリッドを実現した。
2020年11月に日本発売された「ジープ・レネゲード4×e(フォーバイイー)」は、前輪はフロントのエンジンで、後輪はリアの電気モーターで、という独自のハイブリッド技術を特徴とする。
1.3リッター4気筒ガソリンエンジンに、44kWの電気モーターを組み合わせた「レネゲード4×e」のよさを一言でいうと、従来のガソリンエンジンモデルより、さらにパワフルになったことだ。加速が気持ちよい。バッテリーの残量ぎりぎりまで電気で走る「エレクトリックモード」を選ぶと、EVならではのスムーズな発進から力強い加速までが堪能できる。
外部充電できるプラグイン方式ゆえ、大容量バッテリーのメリットを存分に味わえるのだ。EVモードの航続距離は48km。市街地内の通勤には事足りそうだ。
レネゲードは、キュートなスタイルとコンパクトサイズの車体ゆえ、日本の都市生活者の間で人気が高い。ただし、都会派でおさまっているつもりはないようだ。電気モーターのほうが細かくトルクの調整がしやすいため、じつは「4×e」はオフロードの走破性が高い、とジープは謳う。
将来「もしレネゲードに4×eがなかったら」なんて言われるようになるだろうか。そんな想像も楽しい、ジープの香りを色濃く残したモダンなモデルだ。
Jeep Renegade Trailhawk 4×e
駆動形式|四輪駆動
全長|4255mm
全幅|1805mm
全高|1725mm
最高出力|176kw(239ps)(リヤモーター含むシステム全体出力)
価格|5030000円(消費税込み)
問い合わせ|ジープフリーコール 0120-712-812
COLUMN 世界的人気のサッカークラブの胸に「4xe」の文字が躍る理由
モータースポーツでの活躍がクルマの宣伝に最も効果的、という説がある。ただし、そればかりでもない。2019年ラグビーワールドカップの最終戦のあと、日本のリーチ・マイケル主将が新型の英国車でグラウンドに現れたとき観客は沸いたし、世界的な人気を誇るK-POPのアイドル、BTSも燃料電池で走る韓国製SUVでコンサート会場に乗りつけ、ファンに注目された。
ジープも例外ではない。欧州と日本で売られるレネゲード4xeは、サッカー、イタリア・セリエAの強豪であるユベントスの移動手段として知られる。ユニフォーム”ビアンコネリ”にも「4×e」の文字が入っている。「GoAnywhere, Do Anything」。つまり、どこでもなんでも、というジープ車の性能を謳うスローガンは、2011年から9年連続でリーグチャンピオンに輝くユベントスチームの能力の高さとシンクロしている。