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柳井正代表取締役会長兼社長(左)とサステナビリティ部門を統括する新田幸弘執行役員(右)

2021年は、新型コロナのパンデミックから社会が再生する重要な転換の年になるはずだ。国、企業、社会、地域全体が社会・経済・暮らしの再生に向けた動きをさらに加速化させるだろう。

再生に向けたキーワードの一つが、「サステナビリティ」持続可能性だ。新型コロナや自然災害などに疲弊している世界の各地で、国や企業が持続可能な社会の構築を向けた取り組みを推進している。日本でも、ユニクロを擁するファーストリテイリングが、サステナビリティを軸にした企業ビジョンを打ち出した。2月2日開催のオンライン記者会見で発表された「ファーストリテイリング サステナビリティレポート2021」。アパレル企業が先導するサステナビリティをリポートする。

サステナビリティとは「企業の在り方」


コロナ禍で各国の消費者の行動に変化が出ている今、サステナビリティを前面に打ち出す狙いは、消費回復を図るためのブランド戦略の一環なのか。そう考えても、おかしくはない。しかし、そうした問いかけに対し、「サステナビリティは戦略といった小手先だけのものではない。企業の方針であり、企業としての在り方だ。今の時代、またこれからの時代、地球に暮らす人々が幸福になるよう活動していくということが必要となる。企業として何ができるかを考えて実行していきたい」と、柳井正代表取締役会長兼社長は強調した。

大量生産、大量消費のファストファッションのイメージからの脱却という面もあるだろう。このコロナ禍でニューノーマルな日常を過ごす中、環境に配慮したモノを長く使うという意識へとシフトしていった消費者にとって、サステナブルな商品は魅力的に映る。短期間の一過性の流行に左右されない、使い捨ての服とは対極にある、サステナブルなLifewearという同社の考えが、ユニクロ=サステナブルとして結びつくことは、経営上重要だ。実際に「商品と販売を通じた新たな価値創造」をサステナビリティ活動の重要項目に置いている。柳井は語気を強め「企業として業績目標は絶対に必要だ。ただ、サステナビリティか業績か、どちらかといった次元の問題ではない。サステナブルであることはすべての前提だ。平和で安定した豊かな社会がない限り、企業の繁栄はない」と熱く語る。さらに、「社会をより良くする会社になるために、我々は本気で行動することをお約束します」と決意を示した。

熱を込めて話す柳井

文=中沢弘子 編集=坂元耕二

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