人間には、他者と触れ合いたいという生まれつきの欲求がある。その欲求が満たされなければ、メンタルヘルスが損なわれる恐れがある。対人距離の確保やロックダウンが行われる今、多くの人にとって、触れたり安らぎを求めたりできる生き物はペットだけかもしれない。研究チームは、人々が抱える心身のストレスを緩和するため、ペットの存在を政策的な観点から考える必要があると結論づけている。
ペットセラピーは既に、救急隊員や退役軍人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療や、高齢者介護施設、病院で活用されている。次にとるべきステップは、労働者がオフィスに戻ってきたときに人同士の触れ合いの欠如を埋めるため、ペットを導入することかもしれない。
職場で、電子メールを打つ合間に眺められる大きな水槽があったり、会議と会議の合間に人懐こい鳥や猫、犬をなでることができたりする環境を想像してみよう。これまで行われてきた研究に基づけば、そうすることで労働者の寂しさや憂鬱(ゆううつ)、ストレスは緩和されるはずだ。従業員はより熱心に、そして生産的に働くようになり、自分が大事にされていると感じるようになるだろう。