I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、ワクチンが早期投入されたことで長いトンネルの先に光が見えてきたが、それでも感染予防策を怠ることはできない状況だ。ここまでの道のりは長かったが、私たちが目指すべき「日常への復帰」は、パンデミック前の状態にそのまま戻ることではない。

1年前を振り返ってみると、私たちは既に多くの間違いを犯していて、今でもそうした問題の多くに直面している。さらには、気候危機という待ったなしの大問題も存在し、解決のためには生活様式を大きく変える必要がある。

あなたはもう、以前のようにオフィスへ出勤しているだろうか? リモートでは絶対に不可能な仕事を除き、パンデミックが猛威を振るっていた時期にリモートワークをしていた人の多くは、既に元の職場へと復帰している。

多くの都市におけるラッシュアワーの統計からは、多くの人がパンデミック前と同じ通勤を再開し、朝に車に乗って渋滞の中を通勤し、オフィスの椅子に座って決められた時間まで働いていることが示されている。一部のテクノロジー企業や道理をわきまえた会社を除き、企業各社は従業員のオフィス復帰にこだわっているようだ。

数カ月にわたるロックダウンでも生産性が落ちた証拠がなく、多くの人が勤務時間の増加を報告しているのに、「出勤至上主義」に戻る必要があるのはなぜなのか? 従業員に対して働く場所を選ぶ自由を与えることで生まれる可能性に気付くことができない管理職は、本当にこれほどまで多いのだろうか?

残念ながら、私たちはある悪循環に陥っているようだ。企業側に費用の一部を負担する用意があったとしても、従業員の多くは在宅勤務が一時的な措置だと考え、自宅のインターネット接続環境や新たな機器への投資を控えている。

そう考えてしまう理由は、会社のこれまでの姿勢から、十分に安全が確保できない状況にあっても会社がオフィスへの出勤を強要するだろうと考え、それに従わなければ将来のキャリアに影響が出ると考えていることにある。

この悪循環は、多くの管理職に見られる短期的な思考が原因となっている。こうした管理職は、何が起きようとも、自分の部下を近くで監視して、事細かに指示を与えながら管理しないと気が済まない。まるで現在の企業が、産業革命時代の工場の単なる延長であるかのようだ。

編集=遠藤宗生

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