今年の忘年会はオンライン サイボウズ感動課の「スルーさせない」魅せ方

この年末、最もスマートな忘年会はオンライン開催(insta_photos / Shutterstock.com)


最初の物珍しさもあって注目されるオンラインでのイベント開催も、慣れてしまうと画面と音声を通じてのコミュニケーションしか取れない「単調さ」の方が目に付いてしまう可能性もある。

「最初はオンラインのイベントが目新しくて、ちょっと参加してみようかなと言う人が多かったりしたんですけど、だんだんと慣れてくると、『オンラインが面倒くさい、リアルの方がいいわ』というのが出てきて。自分が想像していたより、みんな慣れるの早かった」

福西さんは、あの手この手でイベントの趣向を凝らしている。

「うち、副業もOKになってるので、副業でバンドやっているメンバーがいるんです。(8月のイベントでは)そのメンバーが日本橋のオフィスに行って楽器の演奏をしてくれて、その中継をそれぞれの家に流すのをやったんです。会社のイベントだからってなんとなく楽しくないというイメージがあるんですけど、世の中で流行ってたりするものを融合していくと雰囲気も変わる」


お花見の時の演奏配信の様子(サイボウズ提供)

イベントの楽しみのひとつである飲食の提供方法も、補助による自前調達を手始めに試行錯誤した。

「最初の4月のお花見のときは1500〜2000円の補助が出るので自分で好きに買ってください、その飲食の補助を会社から出すので、とやったんですよ。自分で用意したら自分が食べたいものを頼むので、満足度が勝手に上がるんですよね。で、一回やってみたんですけど、それをやるとその後に申請は自分でしないといけない。今までだったら集まったらご飯を食べられたのに、自分で後で申請するのは面倒くさいとなって」

そこで、オンライン飲み会に対応した、お取り寄せ代行サービスも試してみたところ好評だったという。

「食べたい、お取り寄せしたいものをアプリに登録してねと。いいねボタンをぴっと押すと、イベントの数日前にその品が家に届くんです。やってみると、100人以上の人が『いいね』押すだけでティラミスとか食べられるんで、押すんですよね」

互いに感謝を送りあって1年をふり返る


12月末に開催される「サイボウズオブザイヤー」は、従業員相互で「ありがとう」と言いたい人に投票し、表彰するイベント。

「元々15年以上前にあったんですよ。年末に社長が何人か表彰するというのから始まったんですけど、今の社長の青野(慶久氏)に替わったときに『自分で選べないからみんなで選んでよ』と依頼があってから、今の方式に変わって。MVPを決めるとなったら、めっちゃがんばった人とか、めっちゃ売った人とかにってなるんですけど、というより『ありがとう』と言いたい人にコメントを送り合うっていうようにしてて。これが長く続いている秘訣なんかなと思います」

そのサイボウズオブザイヤーを、今年はオンライン開催する。投票で決まる受賞者への表彰状の文言は以前からひとりひとり違うものが用意されていて、今回はオンライン開催ならではの趣向として、文言は画面に表示される。


画面共有機能を活用して、場が盛り上がるスライドを表示(サイボウズ提供)
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