元投資アナリストのナオミ・シャーが立ち上げた「ミートキュート」は、15分間のオリジナルエピソードで構成されるロマンティックコメディのポッドキャストシリーズだ。2月のスタート以来、200以上のエピソードが100万人に聴かれている。
「ニュースやノンフィクションに特化したポッドキャスト番組があふれている中で、人々を現実から遠ざけ、想像力を豊かにするコンテンツには価値があると思う」と、シャーは話す。
彼女は500人以上の世界のクリエイターからなるチームを結成し、多様なストーリーテリングを行おうとしている。「私たちのプロジェクトはパンデミックの追い風を受けている」とシャーは述べた。彼女らは、ZoomやGoogleハングアウトでのコミュニケーションを通じて、クリエイターたちの声を拾い上げている。
投資家もこのアイデアに注目している。シャーは先日、625万ドルのシリーズA資金調達を完了させ、累計調達額は925万ドル(約9億6600万円)に達した。
ミートキュートの出資にはLocalGlobeやLererer Hippeau、Newark Venture Partnersのほか、シャーの以前の勤務先であるユニオン・スクエア・ベンチャーズも参加している。彼女は前職では、エンターテインメントとウェルビーイング分野のスタートアップへの投資を率いてきた。それから2年後、彼女は自身のスタートアップを立ち上げた。
シャーのアイデアに魅了されたユニオン・スクエア・ベンチャーズのアンディ・ワイズマンはこう話す。「シャーたちが提示しようとしている物語は、ディズニーやマーベルと同様な、一貫したフォーマットと美学を備えたものだ。オーディオの世界ではまだ、誰もやったことがない試みと言える」
ミートキュートはまだ利益をあげていないが、シャーは当面の間は、ロイヤルな視聴者を集めることに専念するという。「コンテンツ第一のアプローチで進んでいきたい」と彼女は話した。
新たな資金を得た今、ミートキュートはハリウッドのトップタレントとコラボするための計画も進めている。「ある程度のリスクは覚悟しつつ、限界まで可能性を追求していきたい」とシャーは話した。